暗闇でも目が慣れると見えるようになるなどの「明暗順応」について、マウスを使ってメカニズムを解明したと、大阪大の研究チームが7日、欧州の分子生物学専門誌で発表した。明暗順応は生物にとって重要な機能だが、網膜の損傷や老化を招く一因にもなる。明暗順応を制御し、網膜を保護できる薬剤の開発を可能にする研究成果だ。 光を感じる網膜の視細胞の中では「トランスデューシンα(Tα)」というたんぱく質が移動し、明るさに応じて感度を調節することが知られている。暗い場所では感度が上がる結果、視細胞の変性や細胞死も引き起こし、視力低下や失明につながる病気の悪化など悪影響も及ぼす。しかし、感度調節の詳しいメカニズムは分かっていなかった。 研究チームは、Tαの移動に関わる分子を突き止め、この分子を作れないようにしたマウスで実験した。すると、暗い場所で目の感度が上がらない一方、強い光を当てても視細胞の死滅を通常のマウスの