──なるほど。個人的なリスナー体験として、ひとつ区切りがついたという感じなんですね。 荒内 : そこで、リスナーとして”他に面白い音楽がないのかな”といろいろ聴いていて、ワールド・ミュージック的なものをさらに探求していくようになったんです──僕は特にアフリカのものが多くて、あとは南米ものももちろん。そこに加えてもうひとつあった流れが、マイルスから続く日本のジャズの流れというもの。それを振り返ることがあって、菊地雅章さん、ティポグラフィカ、もしくはティポグラフィカの残党の方たちの諸作品、菊地成孔さんのDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN、水谷(浩章)さんのphonoliteとかも……このあたりの音源は、リアルタイムでも聴いていたんですが、振り返ることも多かったですね。それで、こうした作品から感じるリズムの面白さ──日本のこうしたジャズが組み込んでいったポリリズム