子供は「浮く風船」が大好きだ。なにしろ滅多に手に入らない貴重なものだから。 ぼく自身は、母親に教えられたとおり、あの風船には人類の夢と希望が詰まっているから空高くのぼっていけるのだと一昨年まで信じていたが、どうやらヘリウムガスというものでふくらませても同じように浮くらしい。 ……あ、いや、ちがうな。こういうテイストで書いてくつもりじゃなかったな。ええと、とにかく浮く風船をもらってですね、喜んでたらうっかり手をはなして風船が飛んでっちゃったという苦い経験、誰しも一度は憶えがあるんじゃないでしょうか。 どんどん小さくなる風船をただただ見上げるだけの無力だった少年少女時代。あのころの悔しさを、大人になった今であれば晴らすことができるのではないかと思うのです。 遠いあの日に飛んでいった風船、大人が全力で追いかけてやろうじゃありませんか。 (櫻田 智也) モチベーション 風船を本気で追いかけるといっ