先月のサッカー欧州選手権で準優勝に輝いたドイツ代表のフィジカルトレーナーの1人が、日本人だったことは意外に知られていない。米国アリゾナ州在住の咲花正弥(さきはな・まさや)さん(34)だ。脱サラして渡米し、少年時代からの夢だったフィジカルトレーナーの職に就いた。最先端の理論と科学的なトレーニング法を身につけ、欧州サッカーで最高の舞台へ選手を送り出した、そのプロの業について聞いた。(聞き手・原田公樹) 6月29日、オーストリア・ウィーンのエルンスト・ハッペル競技場で行われた欧州選手権決勝のドイツ−スペイン戦。ドイツ代表のスタッフユニホームに身を包んだ咲花さんは、選手たちの動きをじっと見ていた。5月の直前合宿から決勝戦までの約2カ月間にわたって、選手を鍛え、コンディションを維持させ、ケガから復帰させた。惜しくもドイツは0−1でスペインに敗れたが、主要大会での決勝進出は2002年ワールドカップ(