参院山口選挙区補欠選挙の投開票が28日に迫る中、安倍晋三首相(自民党総裁)は21日、就任後初めて地元・山口県に入り、西端の下関市から東端の岩国市まで180キロを疾風のごとく駆け抜けた。民主党の海江田万里代表、菅直人元首相も相次いで山口入りしたが、長州での「安倍旋風」のすさまじさにたじろぐばかりだった。 午前10時、首相の遊説のスタート地点となった下関市の複合施設「シーモール」は4月下旬とは思えぬ寒風が吹きすさんだが、支持者ら約3千人が空中回廊まで埋め尽くした。首相は感無量という表情でこう切り出した。 「6年前、首相を投げ出し、日本中から厳しい批判を受けましたが、皆さんは『頑張れ』と温かい言葉をかけてくれました。あれほどうれしかったことはありません。私は1度死んだ政治家ですが、みなさんの言葉で蘇ることができました。本当にありがとうございました…」 首相が深々と頭を下げると割れるような拍手。「