「私が記者会見したのは1カ月ほど前ですが、国家戦略特区における獣医学部新設の問題を巡り、その後もさまざまな動きがありました。日本記者クラブのご依頼というのもいい機会と捉えまして、会見させていただくことにしました」――今回の会見に至った経緯に触れ、“渦中の人”前川氏が会見した。約30分用意したメモをもとに語った後、約1時間半、記者の質問に答え、会見時間は2時間にも及んだ。 司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞) 加計学園事件とは何か。疑惑の深い闇が、最も高い証言能力を持つ人物によって、1枚ずつベールが剥がされていくような会見だった。 第1のベールは、いかに行政がゆがめられたか。国家戦略特区という特定主体が恩恵を受ける一種の利権行政が、十分な透明性、公平性なく進められた。最初に加計ありき。そこへもっていくために「獣医学部が広域的に存在しない」「2018年4月開学」との新条件が付加さ