法治の国か、人治の国か 内閣改造でいくつかのミニサプライズ人事があった。これを契機に、春先から続いたいわゆる「もり・かけ」疑惑(森友学園小学校、および加計(かけ)学園獣医学部の新設に関し、関係当局の態度の中立性に対して生じた疑惑)への世論の関心は、ようやく弱まっていくことになるのだろうか。そうであれば、終始鉄面皮な対応を続けた官邸の粘り勝ちということかもしれないが、日本の国家組織のコンプライアンス(法令順守)という観点からは、ここから先の再発防止体制構築こそが重要となる。 両疑惑に関しては最初から、「北朝鮮情勢緊迫の折、こんなさまつな問題で大騒ぎすべきではない」というような声が、ネット中心に発せられ続けてきた。だがこの話をさまつと断じたすべての論者こそ、社会常識を問われるべきだろう。この問題が問うたのは、「有力政治家の知り合いであれば、役人がいろいろそんたくして法規制の運用を融通してくれ、