【ブリュッセル=円入哲也、大木聖馬】菅首相と中国の温家宝首相との会談は、ASEM首脳会議の夕食会後、会場を出た王宮内の廊下で両首相が出くわす形で、急きょ25分間、実現した。 「やあやあ、座りましょうという感じで自然に、普通に会話ができた」 菅首相は会談後、記者団に満足そうに語った。外務省幹部によると、日本側は中国語通訳ら中国専門家を同行させておらず、双方は英語通訳を交えて会談を行ったという。 中国側は当初、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で日本に強く反発し、ブリュッセルでの首脳会談開催に否定的だった。菅首相は首脳会談での事態打開に期待をかけていたが、中国側の姿勢を踏まえ、今回の訪問での会談実現は難しいとみて、外務省の中国・モンゴル課長の同行も見送っていた。 菅首相同行筋は会談後、日本政府関係者に電話し、「首脳同士のあうんの呼吸で調整された」と驚きを隠せなかったという。 一方、温首相は会場