Close Up 激動する世界経済の流れに、日本も無縁ではいられない。政治・経済、企業・産業、社会の注目テーマをクローズアップし、独自の視点、切り口で「詳説」する。 バックナンバー一覧 不動産市況が悪化の一途をたどるなか、新興不動産企業が監査法人による「監査意見不表明」によって“とどめ”を刺されるケースが続出している。新興不動産をめぐり、銀行融資に続いてにわかに厳格化する監査の背景には何があるのか。 「審査会を通りませんでした」 11月28日。新日本監査法人の担当者からのこの一本の電話で、中堅不動産会社、モリモトの命運は決定された。 きっかけは、ある取引案件のキャンセルであった。信託銀行系の法人顧客向けに開発した事業用賃貸ビルが、顧客都合で10月末に売却キャンセルとなったのだ。32億円の売上代金が未入金となり、10月末までに必要な運転資金26億円が不足した。 11月6日には、全取引金融機関