帝国データバンク名古屋支店は5日、愛知県豊田市の自動車部品メーカー「日本高周波」が事業を停止し、事後処理を弁護士に一任したと発表した。負債総額は平成20年3月末時点で約26億円。トヨタ自動車グループのメーカー、トヨタ紡織(同県刈谷市)の下請け業者だが、自動車不況の影響で受注が大幅に減ったことから資金繰りが悪化していたという。 帝国データバンクによると、日本高周波は自動車のドアの内張りや座席などの部品を製造し、20年3月期の売上高は約113億円。トヨタ関連の下請けで、年商100億円以上の企業が事業停止に追い込まれたのは初のケースという。 同社は、昨年秋以降の世界的な自動車の販売不振で受注が急減。工場の機械売却などで債務の軽減を図ったが、受注の回復が見込めないため、事業継続を断念したという。