日曜日の朝、周君(左)と壮君が店の前で雪かきを始めた=6日午前9時過ぎ、秋田県仙北市、松川写す亡くなった工藤信幸さん 秋田県仙北市に、雪深い山すそに約40世帯が点在する集落がある。列車が日に6本だけ通るローカル駅近くの「工藤商店」から店主の工藤信幸さん(46)がいなくなって、まもなく3週間になる。 1月21日、90歳になる向かいの女性宅の雪下ろし中に屋根から転落し、亡くなった。 「何をするにも慎重な子だったのに……」。父、三郎さん(76)は無念で仕方がない。3メートル弱の1階屋根。足を滑らせ、硬くしまった圧雪路面に頭部を強打したのが致命傷だったと警察はみる。この冬の豪雪のために県内で8日までに亡くなった16人中、最も若い犠牲者だ。 雪下ろし中の転落死事故は多くが同じかたちをとる。降るときは綿のような雪も、時間がたち重みが加われば、硬さは氷と変わらなくなる。 「のぶゆきちゃん」。近