昭和電工が、レアアース(希土類)の一種であるジスプロシウムを使わないモーター用の磁石合金を開発した。ジスプロフリーの磁石は、ハードディスク駆動装置(HDD)用など一部で採用されているが、需要規模がさらに大きい産業用ロボットなどの一般産業用に応用範囲を広げるもので、画期的な開発といえる。需給緩和による価格低下が見込めるほか、ジスプロの約9割を中国産が占めるなか、原料調達リスクを緩和する上でも威力を発揮しそうだ。 磁石合金は通常、鉄やレアアースのネオジムから作られるが、耐熱性確保のために微量のジスプロを添加している。磁石は温度が上がるほど磁力が失われやすいためだ。 添加量は用途によって差があり、HDD用では重量ベースで約1%。しかし、より耐熱性が求められる一般産業用は約4%で、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)用は6%超と高い。 ジスプロの価格は今年8月時点で1キロあたり645ドルと、