今回の地震は、発生が予測されている首都直下の大地震と関連があるのか。防災科学技術研究所の岡田義光理事長は「震源が、首都直下地震よりはるかに深く、場所もメカニズムも異なる」と否定する。 首都圏の地下は、陸側のプレート(岩板)の下に、南からフィリピン海プレート、さらに東から太平洋プレートが沈み込む複雑な構造をしている。気象庁によると、今回の地震は、最も下にある太平洋プレート内部の深さ162キロで起きた。 一方、国の有識者会議は、首都直下地震が起きる場所として、活断層(図の〈1〉)や、相模湾から千葉県沖に延びる相模トラフなどフィリピン海プレートの境界(〈2〉)、プレート内部(〈3〉)といった、深くても約80キロ程度を想定している。関東大震災(1923年)など首都圏に大きな被害をもたらした大地震は、これらの場所で一定の間隔で繰り返し起きているためだ。