インド・ムンバイからなんとかして故郷にたどり着こうと高速道路を歩く移民労働者の家族(2020年5月11日、写真:AP/アフロ) (古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授) 「世界最大の民主主義国」と評されるインドが中国発の新型コロナウイルスと壮絶な戦いを続けている。 人口13億の国家全体を封鎖する措置をとって50日近く、爆発的な感染拡大こそ防げたが、感染者数は増え続け、全土封鎖は二度も延長された。経済への悪影響も深刻となり、ついにナレンドラ・モディ首相に近い法律家集団が、国連で中国の責任追及を提起する手続きをとった。 2回延長されたロックダウン 中国に次いで2位、民主主義国としては世界最大の人口を抱えるインドで初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは、今年(2020年)1月30日だった。その直後の2月3日にさらに2人の感染者が出る。これらの3人はいずれも中国