伸びている企業を率いる経営者には,キラリと光る優れた資質の持ち主が多い。そんな経営者が先見性を持ってリーダーシップを発揮すると,会社の業績が伸びるのは当然,と納得させられることが多い。急成長を続けるIT(情報技術)ベンチャー企業のディー・エヌ・エー(DeNA)の代表取締役社長を務める南場智子氏は,そんな経営者の一人だ。 2008年7月12日土曜日の午後5時30分から,東京工業大学の大岡山キャンパス(目黒区)でイノベーション・マネジメント研究科の「経営者論セミナー」が開催された。そこに登壇した南場氏は,DeNA創業時の苦労談をいつものように軽妙に明るく語った。聴講する学生たちを飽きさせることなく,話は2時間に及んだ。親しみやすい雰囲気を漂わせながらも,説得力のある表現の中に,コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンで有能なコンサルタントとして活躍していたときの