ゲーム会社の開発職には大きく分けて四つの職種がある。プログラマー、デザイナー、サウンド、そしてプランナーだ*1。しかし、プランナーというのはかなり大雑把なもので、実際の作業としては前から三つの職種が担う作業以外の全てをカバーすることとなる。 ゲームプランナーが具体的に何をする職業なのか。外から見ているととても分かりにくい割に、企業の募集には平気でプランナー枠があったりするので、これからゲーム業界を目指してみる人、転職しようと思っている人、あるいはゲーム業界に勤めているけど隣の席のプランナーが正直何をやってるかわからない人のために説明したいと思う。 なお、ぼくはコンシューマ業界の人間だったので、ソーシャルゲーム業界の会社とは多少勝手が違うかもしれないが、適宜補足してほしい。 何してんの? 新規企画の立案 プランナーといったら企画だろう! と思っている人は多い。確かに、何もないゼロの状態から新
プラチナゲームズ公式ブログ 『NieR:Automata』でみるアクションのあれこれ@CEDEC+KYUSHU2017 2017.11.29 ゲームデザイナーの根岸です。 先日、九州で開催された「CEDEC+KYUSHU 2017」 にご招待いただき、ゲームデザイナーの田浦と2人で【『NieR:Automata』でみるアクションのあれこれ】と題したセッションを担当させていただきました。 まずは、簡単にCEDEC+KYUSHUの紹介をさせていただきます。 CEDECは、ゲーム開発者向け技術交流会(コンピューターエンターテイメントデベロッパーズカンファレンスの略)で、毎年横浜で開催されています。今回のCEDEC+KYUSHUは、その九州版です。横浜で3日間に渡って開催される日本最大規模のCEDECと違い、開催は一日だけとちょっと小規模ですが、九州のゲーム開発会社のセッションが多く聞けるのが特徴
2017年の終わりに読むのにふさわしく、電ファミらしい記事とは何か? それはきっとご好評をいただいているインタビューや座談会の類ではないでしょうか。 さらに濃密でハイコンテクストな話が語られればなおよし。それなら誰に語ってもらうといいのか? そう思案しながらサイトを顧みれば、適任者たちがゴロゴロいるじゃないですか。 ……というわけで、今回は、日ごろ連載などで御寄稿いただいているゲーム業界の皆さん(岩崎啓眞氏、島国大和氏、hamatsu氏)にお集まりいただき、編集長のTAITAIも交えて、2017年に気になったタイトルの気になったところを、いつもの感じで野放図に語っていただくことになりました。 どなたも業界歴の長い、持論をたっぷりお持ちの(めんどくさい)オトナたち。 「ゼルダ」や「マリオ」などの2017年大ヒットタイトルから『PUBG』やVRタイトルに到るまで、ひとつ語るにも、オトナならでは
今年はコロナに罹患、インフルエンザに罹患、人生初の心療内科通い(薬もらうだけだけど)、更に5年飼育していたクレステッドゲッコーが死ぬという、なかなかハードな1年だった。 自分は迷信的なものは信じないタチなのだけど、これが厄年というやつか、という感じで延々と振り回されていた。 良かった事は今年も1本タイトルを世に出せたことと、仕事のキャリア的には今の所順調に担当タイトル&責任の範囲が拡大出来た事くらい。ただそのプレッシャーで抗不安薬を処方されたのでプラスでもありマイナスでもある。よく映画などで金融エリートがオフィスでクラック使ってるシーンを観てきたけれど、今なら気持ちがちょっとだけわかる。 そんな中でも、一応土日はかならずゲームを遊ぶようにはしていたので、数自体は少ないもののなんとか最低限の本数は遊べた感はあるので、今年遊んで気になったタイトルだけは備忘的にも並べておきたい。 ということで、
2018年現在、増加の一途をたどるゲームの容量。もはや1本で30GBを超えるようなソフトも当たり前で、例えば昨年発売されたPCゲーム「シャドウ・オブ・ウォー」に至っては、97.7GBもあります。 これに対して、昔のファミコンソフトの容量は微々たるものでした。全世界で4024万本が売れたという「スーパーマリオブラザーズ」はたった“40KB”。現在の携帯電話で撮影した写真が当然のように数MBあることを考えると、驚きの低容量です。 たったの40KBで作られているスーパーマリオブラザーズ。ちなみにこの画像も約40KB RPGの「ドラゴンクエスト」ですら、初代の「1」はわずか64KB。「2」が128KB。「3」が256KB、ファミコンでのラスト作であり、5章からなる「4」ですら512KBにすぎなかったのです(※1)。 (※1…当時からのファンなら「ドラクエ3が2メガ、ドラクエ4が4メガ……」という風
Editor's Notes概要 ゲームからプレイヤーに与えられる情報を、プレイヤーが何の帰結として捉えるかによって「情報」「反応」 「遊戯」「進行」の 4 つのレイヤーに分類する方法を定義し、 レイヤー構㐀を用いて任意のゲームを統一された視点 から批評する方法について論じる。また、各レイヤーで情報が得られるまでの時間と、 与えられるモチベーション の持続時間が比例した関係性を持っていることから、プレイヤーのモチベーションの遷移をレイヤーを 1 段階ずつ 通過する事に見立てる事ができる。 この表現によって、モチベーションを維持する上での「ボトルネック」を視覚 化することが可能となる事を示す。 今回提唱する「ワンダールクス」は、ゲームから得られる情報を、プレイヤーが何の帰結として捉えるか、 によって「4つのレイヤー」に分類し、そのレイヤーの関係性を論じるものです。 この、レイヤーによる分類と
洞窟物語ブラッシュアップ対話記録(1年分) = あいさつ = 開発室Pixel の Pixel です。 2004年の終わりに Windows用 フリーソフトとして完成した「洞窟物語」は、 自分で言うのもなんですが、フリーソフトのわりには本当によくできたゲームで、 リリース後には日本と海外でたくさん遊んでいただいて、予想以上に高く評価されました。 洞窟物語は制作に5年くらい(作り直しも含む)かかりましたが、 その制作期間の最後に専用の掲示板を用意して行った5人(?)がかりでのブラッシュアップは、 気が付けば1年を費やし、洞窟物語を飛躍的にいいものに仕上げたことは間違いありません。 あれからすでに10年近くが過ぎてしまいましたが、 洞窟物語の完成に、僕の友達である クロイヒト・虎い・ナオクと他1名の 熱心な取り組みがあったことを知ってもらう為に、 彼らの許可を得て、その掲示板でのやりとりをここ
「Get Even」のゲーム音楽を担当した作曲家Olivier Deriviere氏が,生演奏の音楽とリアルタイム生成のサウンドトラックのメリット,そして映画音楽を模倣する愚かさについて議論する。 Deriviere氏は実験的なゲーム音楽作曲家の一人だ。 今や忘れ去られた感のあるカプコンの人気作品,Sci-Fiアクションゲーム「Remember Me」のゲーム音楽の作曲家,というのが一番分かりやすいかもしれない。彼は10年以上の歳月を費やしてゲーム音楽の可能性を探求し,オーケストラ演奏だけが提供できると信じるスペシャルな感覚を,可能な限りその音楽に加えている。 「私は15年かそれ以上前にこの業界に入りました。もともとクラシック音楽の訓練を受けていましたが,同時に私自身がハードコアなゲーマーだからです」と彼はGamesIndustry.bizに語る。「ゲーム業界で何かをしたいと思い,『Obs
「星のカービィ」シリーズや「大乱闘スマッシュブラザーズ」などのディレクターである桜井政博氏。現在はフリーのゲームデザイナーとして活躍中 「ゲーム性(Game Playability)」とは、ゲームの面白さを表した言葉だ。つまり、楽しいと感じるゲームはゲーム性が高く、つまらないと感じるゲームはゲーム性が低い、ということになる。 しかし、グラフィックがきれい、かっこいい、といったゲームについては、ゲーム性はどうなのか。また、ゲームのチュートリアル部分が面白かった場合にはどうなのか。つまり、ゲームの面白さ(ゲーム性)とは、一概には言えないものである。 しかし、今回桜井政博氏が「Game Developers Conference 2004」のカンファレンスセッションでゲーム性について解説するにあたって、「リスクとリターン」というものに置き換えて、かなりわかりやすく解説してくれた。ここでは、そのセ
任天堂より発売された「星のカービィ」や「大乱闘スマッシュブラザーズX」などを手がけた有限会社ソラ代表の桜井政博さんが、ゲームからどのような影響を受け、どういういきさつで業界に入り、どう考えてゲームを制作して、仕事について、社会についてどう考えているのかを「あなたはなぜゲームを作るのか」というタイトルの基調講演をCEDEC2012にて行いました。 私はゲームデザイナーの桜井政博です。どうぞよろしくお願いします。 今回依頼を受けましたが、私の言いたいことは、2冊同時刊行した「桜井政博のゲームを作って思うこと」「桜井政博のゲームを遊んで思うこと」を買ったり読んだりすれば分かってもらえると思います。 ただ、せっかく登壇する機会なので、是非みなさんと一緒に楽しんで行きたいと思っています。といっても特にお伝えしたいことはなくて、みなさんはゲームを作られている人なので、独自に頑張ればそれでいいと私は思っ
たった2人で作ったゲーム「Chameleon Run」がApple Design Awardを取るまで。そして,取ってから ライター:徳岡正肇 アクセシビリティ,つまり,より多くの人によりスムーズにゲームを楽しんでもらうための技術は,Game Developers Conference 2017でも大きなテーマだった。中でも「色弱者が遊べないようなゲームにしないためには,どうすべきか?」という話題はゲーム開発者でなくとも,多くの人が聞いたことがあるのではないだろうか。 例えば,パズルゲームで色違いの宝石を並べて消すようなシステムを作った場合,人によっては色の違いがあまり分からないこともあるので,宝石の形を変えておこうといった話だ。 クロアチアで開催中の「REBOOT Develop 2017」でもこの点は注目されており,「Chameleon Run - How to Make a Game
スーパーマリオの1-1がゲームデザインとして完成されているというのは結構有名な話です。ネット上にはいたるところにゲームデザインの素晴らしさを説明するサイトがありますが、私なりにもプレイして考えてみました。 誰もが知っているアクションゲーム、スーパーマリオ。 そのゲームの原点といえる、ファミコン版スーパーマリオブラザーズ。 その頃は横スクロールするアクションゲームなんて誰もやったことがありませんでした。 なので、誰でもゲームの操作を覚えて楽しんでもらえるように最初のコースである1-1は非常に親切に作られています。 ステージ序盤 スタート直後 敵も障害物も一切ありません。 マリオは左端にいます。 右側が開けているため、右に進もうと思うでしょう。 右に進むと画面がスクロールします。 このゲーム開始直後に敵がいない、プレイヤーが操作するまで敵が出てこない状況はとても重要だと思います。 それまでTV
独特の世界観やゲームシステムが特徴的な「伝説の旅団」。実は、そのUIにも独特の工夫が散りばめられています。伝説の旅団について語られる時に、UIが言及されることはほとんどありません。ある意味、空気のような存在として馴染んでいるのです。しかし、ここに至るまでに、数多くのデザイン作業が行われ、紆余曲折を経て現在の形になりました。普段のプレイ中は意識することはなかったかもしれませんが、今回はそのUIデザインについてご紹介します。 早速ですが、いくつかの画面を並べてみました。 実は、これらの画面の要素は「あるルール」に基づいてレイアウトされているのです。何だか分かりますか? そのルールとは、「主要なボタンを右側に配置する」というものです。 分かりやすいように、左半分を暗くしてみました。ゲームのメインループに関わるボタン群が、全て右側だけで押せることが分かると思います。これは、意図的に配置されたもので
ゲームクリエイターが知るべき97のこと大人気の書籍『ゲームクリエイターが知るべき97のこと』のエッセイを無料で公開中!すべてのゲームクリエイターにおすすめの本がウェブで読めるようになりました。 エッセイ一覧「勝手にテコ入れゲーム企画」を考えよう!誰でもできることから始めるプログラマの「ゲーム作り」への情熱ゲームクリエイターは何でもできた方がいい君は反省し続ける事ができるか?お宝と燃料を同時に手に入れよう!私たちは誰のためにゲームを作っているかピグライフをつくるときに考えたことムダなムダを徹底的に切り捨てる面白さには旬がある理論を軽視しないこと限られたリソースの中で~サーバ運用の現場から~神は細部に宿りたまう面白くならなくてもいいから、短時間で作ってみようゲーム創りを楽しむための3つのポイント多様化するアニメーターの役割明日を創るゲームテクノロジーへの挑戦運命のドアチケット駆動開発と自動化テ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く