英国でEUからの離脱をめぐる国民投票が実施された。私はぼんやりと「何だかんだいっても最終的には英国はEUに残留するだろう」と思っていた。開票前には「離脱騒動でポンドが下落したから英国の出版社への支払いが少なくて済む」という知人の冗談を聞いて笑っていた。 結果は、EUからの離脱が51.9%、EUに残留するのが48.1%となり、離脱が僅差で多数決を制した。私はけっこうなショックを受けた。 このように国制の根本的なことを国民たち自身が決めるのは、被治者と統治者の同一性を軸とする民主主義の理念には適っている。実際、民主制の範型をえがいたルソーの『社会契約論』では定期的に人民集会が開かれて、いまの国制を継続するか否かが問われるのであった。 以下は今日、国民投票についてした会話の一部で、メモ書きとして記しておく。「受けた質問←私の返答」の形だ。 英国の離脱は英国だけに関わることではないから英国民だけを