均一なナノ組織を有する試験片よりも、不均一なナノ組織(ヘテロ・ナノ組織)を有する試験片の方が優れた力学特性を示した事実に驚きました。ハイ・エントロピー合金は新しいコンセプトの合金材料であり、本成果は、金属材料の秘められたポテンシャルを示す一例だと思います。 概要 ハイ・エントロピー合金は、従来にない新しい合金として材料科学における基礎的興味を喚起するとともに、異なるサイズの原子で構成される結晶格子の大きな歪みに由来した高い強度や、原子の拡散が抑制されることによる高温での安定性などから、未来の高強度材料、高温材料としての応用も大いに期待され、世界中で活発な研究が行われています。 本研究グループは、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)から成り、鋳造・凝固状態では2種類の異なる板状金属間化合物(平均サイズ200~250nm)が交互に並んだラメラ状組
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