日立製作所は、子会社の日立マクセルと日立プラントテクノロジーの会長を兼務している川村隆氏(69)が4月1日付けで日立本体の会長兼社長に就任する人事を発表した。 川村氏は重電畑の出身で本社の副社長を務めた後、グループ会社の会長などを転々として、今回本社の社長へ返り咲くという経歴だ。 私が最も不思議に思うのは、なぜ古川氏から「さらに年配」の川村氏へとバトンタッチしなくてはいけないのか?という点だ。若い人の中に人材はいないのだろうか? このまま川村氏が社長を引き継いだところで、業績回復を成し遂げられる可能性は極めて低いと私は思う。 何も川村氏に「若さ」がないという点だけで、判断しているわけではない。日立の「トップ人事」は仕組みとして問題を抱えているからだ。 それは日立のように「大本部制」を採用している多くの日本企業では、社長へのキャリアパスとして、全社のことを理解できる仕組みがないということだ。
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