──あなたのまわりにいませんか? 実力もないのにプライドが高く、仕事を断り、口だけ達者な社員。 それはもしかしたら「偽カツマー」かもしれません。── 机のあちこちに前向きなフレーズが書かれた付箋。ビジネス書がずらりと並んだ本棚の中央には、学生時代の部活動の記念写真と仲間からの寄せ書き。「努力家で尊敬されている私」をアピールしている机の持ち主は、サービス業のマーケティング課長エリコさん(34)の部下(25)。入社2年目だ。 入社してすぐに彼女が宣言したのは「脱コスト」。時間の有効活用や費用対効果という用語が飛び出し、日報の書き込みも「仕事の意義とは……」と哲学めいていた。ぱっちりアイメークとショートパンツという見た目とは裏腹に、「よく勉強してるな」が第一印象だった。 しかし、締め切りを過ぎても企画書は上がってこない。 「考えていたら時間内にできませんでした」 そんなことが数回重なり、