若手期待のホープ君が退職代行サービスを利用して、姿を消してから、一週間になる。退職代行サービスの存在を知ったとき「そんなものまで代行するのかーなるへそなー」と他人事と思っていたのに、まさか、自分が被弾するなんて。ホープ君とサシで飲んだとき、冷酷でビジネスライクすぎると批判されたものの、考え方こと違えど、そこそこ分かりあえたつもりだった。仕事サイコー!と杯をぶつけた、あのときの「部長にぶつかっていきますよ!」は何だったのか。まさかぶつかってくるのが本人ではなく代行業者とはね。ビジネスライクすぎやしないか。代行の担当者は、会社名を名乗り、ホープ君が退職する旨を伝え、手続きを進めてください、と言った。それだけ。理由等詳細は永遠に闇に葬られたわけだ。あの晩、立て替えた酒代も請求できない。被弾したときは「なんだよー」「ざけんなよー」と軽く血が上ってしまったけれど、それだけである。一線を引かれて相手が