オバマ米大統領は、「私はメルケル首相に好感をおぼえる。今まで多数の政府首脳と会って思ったのだが、彼女はほんとうに知的で、実用主義的思考の持ち主で、信頼できる」とのべると、横に立っているメルケル・ドイツ首相は一瞬困った顔をした。これは、最近ホワイトハウスであった米独首脳会談後の共同記者会見の場面だ。米大統領が独首相を絶賛するのは、会談前に両者の間がしっくりいっていないと報道されていたからである。 米独間の不協和音は世界金融・経済危機の処理に関連する。先進国のなかには、米国を筆頭に過激な金融緩和策と大規模な財政出動を解決策と見なす国々と、それに懐疑的で国際金融規制強化を重視するユーロ圏諸国があり、メルケル首相は後者の代表格だ。日本はこの対立で米国の同調国であるだけでなく「ゼロ金利政策」や「量的緩和策」といった金融緩和政策は「バブル先進国」日本がはじめたことである。 それでは、このような過激な金