京都市で16日に行われる「五山送り火」の一つ「大文字」の護摩木として、東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の松を使う計画が、放射性物質の汚染を不安視する声を受け、取りやめになったことが6日、関係者への取材で分かった。 大文字保存会は京都に松を運ばず、陸前高田市で迎え火として使う方向。代わりに、遺族が祈りの言葉などを書き込んだ松の護摩木を写真撮影して別の木に書き写し、大文字で燃やすよう調整している。 京都市文化財保護課や同保存会によると、報道などで知った市民から7月に入り、「放射能汚染が心配」などの声が寄せられた。松から放射性物質は検出されなかったが、保存会は議論の末、8月に入って取りやめを決めた。