毛抜形太刀(伊勢神宮所蔵、重要文化財) 毛抜形太刀(けぬきがたたち)は、平安時代中期頃に登場した太刀の一様式。日本刀の原型(起源)と考えられている刀である。柄(鉄製)と刀身とが接合され一体となるよう作られている(共鉄造り)。 別称に「衛府の太刀」がある。また一部では『白河上皇高野御幸記(高野行幸記)』の中で「俘囚野剣」とも呼ばれているとされるが、原本である高野山西南院所蔵『寛治二年白河上皇高野御幸記』の中に俘囚野剣という語の記述は確認出来ない[原 1] 毛抜形太刀の直接的な起源は、古墳時代、東北地方の蝦夷が用いてきた蕨手刀である。最初期の蕨手刀は直刀だったが、改良により、突き刺すのではなく騎乗にて振り下ろして斬る使い方(疾駆斬撃戦)に適すように、次第に柄および刃が反り、彎刀に近づいた。 朝廷の律令軍によって東北地方が制圧支配されると、蝦夷の騎乗武器・戦法の特徴が和人へ伝わり、蕨手刀が段階的