先日国内最大規模のグルメサイト「食べログ」で、ランキングの不正操作が明らかになった。複数の業者が特定の飲食店に対し好意的な口コミを投稿して報酬を得ていたのだ。 こうした消費者に宣伝と気づかれないような宣伝行為を「ステルスマーケティング」という。 これに対し「消費者の信頼を裏切るあるまじき行為だ」などと批判の声が上がったが、ナイーブにすぎるのではないか。わざわざ業者に依頼しなくても、店の関係者が自作自演でランキングを吊(つ)り上げているケースもある。その結果、地元住民が首を傾(かし)げるような店に、ある日突然行列ができたりする。インターネットの構造上、こうした問題は常に起こりうるはずだ。 しかしもっと大きな前提がある。それは、口コミサイトの評価は「料理について細かい論評を述べたい人たち」「携帯電話で料理の写真を撮ることをためらわない人たち」が下した判断にすぎないということだ。 スペインの哲学