彼女を昨年の11月から担当している。 「論説文を読むのが苦手なので、何か本を貸してほしい」と言っていた小6女子生徒がいた。島泰三『親指はなぜ太いのか』あたりが順当だろうと思っていたが、部屋の中をなんぼ探しても見つからず、貸せずにいた。とり急ぎ、小熊英二『日本という国』はすぐに発掘できたので、それを貸した。ここのところ毎年、受験生には『日本という国』を読ませている。以上、夏のこと。 最近また「論説文が相変わらず苦手なので本を貸してほしい」と言ってきた。たまたまその少し前に、島泰三『はだかの起源』を部屋から発掘し、再読中で持っていたので、これも何かの縁だろうと思い、貸した。 彼女はそれなりに努力家で、しかし努力のわりには得点が伸びずにいた。四谷大塚合不合判定模試では4科偏差値45くらいを低迷していた。本を貸してから1ヶ月弱、国語偏差値が跳ね上がり、4科偏差値が10上がった。 彼女は5年生時から