<フリン大統領補佐官の辞任、後任を打診した退役海軍中将は辞退――。閣僚人事をめぐるごたごたから浮き彫りになるのは首席戦略官バノンの権力の膨張だ> トランプ政権が恥をかいた。国家安全保障担当大統領補佐官のマイケル・フリンが就任早々に辞任に追い込まれた上に、その後任に打診したロバート・ハーワード退役海軍中将に断られてしまったのだ。 マティス国防長官とも親しく、党派の枠を超えて評価の高い元軍人だが、人事でホワイトハウスと折り合いがつかなかったことが辞退の理由と言われる。ハーワードは自前の部下を迎えることを望んだが、それが認められなかったようだ。 この一件が浮き彫りにしたのは、トランプ大統領の側近であるバノン首席戦略官・上級顧問(写真右から2人目)の権力が膨張していることだ。バノンはホワイトハウスに君臨し、あらゆる意思決定に影響力を振るっているらしい。政権発足直後の大統領令により、国家安全保障を担