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ブックマーク / stanza-citta.com (4)

  • いろいろクドい話 » アメリカ戦艦の辿った道 9(戦艦部隊の黄昏)

    アメリカ海軍の中で太平洋戦争中も戦艦の地位は揺るがなかった」と唐突に言われても、そうそう素直に頷けません。開戦以来、真珠湾では航空攻撃で太平洋艦隊の主力戦艦が壊滅的な損害を受け、マレー沖ではイギリス海軍の誇る新戦艦と高速巡洋戦艦が陸上攻撃機によって撃沈されるなど、戦艦の地位はガタガタに低下したはずですし、それが証拠に戦争後期のアメリカ戦艦は水陸両用部隊の上陸を支援する巨大な砲台としての役割を担うか、速力で空母に追随できる新戦艦は空母の護衛として強力な対空砲火で日陸海軍機の攻撃を撥ね退ける防空艦として活躍したのですから、どう考えても戦艦のステイタスは戦前とは180度異なる、空母と地位を逆転した存在に変容していたはずです。 戦史に記録された戦艦の戦術的な効果は確かにその通りで、そのような防空艦や陸上砲撃用の砲台としての役割で実績を残していますが、それらの戦術的な結果を戦艦そのものの存在意義

    synonymous
    synonymous 2011/12/05
    戦艦を本当に用無しにしたのは核兵器であるとの説。
  • いろいろクドい話 » 砲兵の仕事 2 (理論のみがあった間接射撃)

    間接射撃とは敵が見渡せる位置からの情報を得て、直接に敵を狙えない位置にある砲兵が砲撃を行うことです。砲兵から見えない目標を、敵から見えない砲兵が射撃するのですから、これは画期的な戦術で、大砲の歴史が始まって以来の大きな変革です。その歴史は古く、1750年代には既にロシア軍で間接射撃の実績があります。 間接射撃の良いところは、前方の観測員からの情報で射撃することで、精度を維持しながら射撃距離を大きく取ることができ、敵から見えない位置に砲兵を配置できる点です。距離を大きく取ることができればより多くの砲を目標に指向できます。敵から見えないように配置されれば反撃されて損害が出ることもありません。実に良いことずくめの戦術ですが、第一次世界大戦まで間接射撃は多用されることなく、野戦砲兵は近距離肉迫直接射撃を主戦術に据え続けています。 その理由は大きく分けて二つあります。一つは機材と技術の問題です。間接

  • いろいろクドい話 » 幻の東部戦線 5 (ドイツの将軍達はどんな人々だったか?)

    ドイツの再軍備と簡単に言っても、それを実現するには大きな課題がいくつもありました。まずは連合国、中でもフランスの反発があります。旧敵国の再軍備をまともな形では許してくれそうもない強敵です。そして世界中を相手に戦った大戦争に敗北して疲れ切ってしまった国民の感情があります。戦後の日がそうであったように、ドイツ国民も、もう戦争なんて懲り懲りなのです。非武装で良いではないか、という世論は再軍備直前まで根強く多数派の位置を占め続けています。 その上、さらに厄介なのは再建される国軍を担う基幹要員をどこから集めるか、という問題です。なにしろ旧ドイツ軍とはナチスドイツ軍なのですから主要な高級将校は総じてナチスの同調者でヨーロッパ中の憎悪の的である侵略戦争の担い手で、その中の多数が戦犯として訴追されています。そしてたとえ無罪で放免されたとしても、ナチスの将軍達を新しい国軍の中枢に置くことを国民は認めません

    synonymous
    synonymous 2011/05/30
    『ドイツ軍自体が将軍を消耗品として眺めている気配さえあります。戦場で装甲車両にさえ乗らず、シュトルヒで移動する、といった無謀は彼らの命の軽さを表しているような気さえしてきます』日本の名ばかり管理職のよ
  • いろいろクドい話 » 幻の東部戦線 7 (「対ソ戦のプロフェッショナル」)

    ドイツの将軍達が戦史を書くのは歴史を重視するプロシア陸軍以来の伝統とも言われます。けれども敗戦後に書かれた回想録は必ずしも事実に根ざしたものとは限りません。ハルダーの下で戦史編纂作業の統括をつとめたホイジンガーなどはどう考えても立ち会っていないだろう場所や部署での会話や状況をまるで自身がその場にいたかの如く書き上げたことで批判されていますが、トップに立つ人物の回想がこの有り様ですから他の将軍達の叙述にもルールに従って大幅に脚色された部分が含まれることになります。 そして1948年頃になるとヒトラーだけでなく、国防軍総司令部のカイテル、ヨードルといったOKWの将軍達も批判の的になり、「諸悪の根源はヒトラーと国防軍総司令部であって陸軍参謀部は純粋に軍事的な組織である」と明確に主張されるようになってきます。「武装親衛隊は戦闘部隊であって一般のヒトラー親衛隊とは区別しなければならない」という武装

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