カメラ随想 前言 小さいながらもカメラメーカーを経営している私が他社の現行カメラについて書けば色々都合が悪いことが起こる。よってこのコラムで取り上げるカメラは既に無くなってしまったメーカーのものや産業としてメインストリームから外れているものに限られる。 メジャーなカメラの情報なんてWEB上にあふれている。世界の果てにあるカメラの話の方がきっと面白い。
カメラ随想 前言 小さいながらもカメラメーカーを経営している私が他社の現行カメラについて書けば色々都合が悪いことが起こる。よってこのコラムで取り上げるカメラは既に無くなってしまったメーカーのものや産業としてメインストリームから外れているものに限られる。 メジャーなカメラの情報なんてWEB上にあふれている。世界の果てにあるカメラの話の方がきっと面白い。
M532というあだ花 最後のコダックカメラ かつてのフィルム界の巨人、米コダック社が倒産した。もちろん感慨深いものはあるが、意外性は全く無い。最近のコダック製品といえば、量販店の店頭ワゴンに使い捨てカメラやコダカラー100フィルムが破格値で売られているのを見るぐらい。コダックの名前が付いた単三アルカリ電池が4本100円で売られているのを見るに至っては、行く末は明らかだった。 今回の話はM532というデジタルカメラ。発売されたのが2011年なので、結果としてコダック最後のカメラということになった。 魅惑の機能「フィルム効果モード」 M532はアメリカ市場によくある「エントリー商品」というジャンル。カメラにそれほどこだわりがない人が買うものだ。余談だが日本市場ではエントリー商品はただの安物と判断されてしまう。だからコダックやGEなどは安物メーカーとしか認知されない。 エントリー商品であるが故に
闇に隠れて生きる 日立デジカメ (6) 日立デジカメ もう一つの系譜 前話で私はHDC-W902を最後に「日立デジカメ」の歴史が終わったと書いた。実はこれは少し補足する必要がある。正確には「日立CMOSデジカメ」の歴史が終わったとすべきだ。 私は日立デジカメを愛している唯一の人間で、こんなものを収集・研究している人は他にいないと思っていた。ところが最近「私も7台持っています」というお便りを頂いた。この闇に隠れたコラムを読んでいる人がいるというのも驚きだが、他に収集している人がいるというのは驚いたら良いのか悲しんだら良いのか・・・この方はHDC-401を取り上げてほしいとのこと。「今までHDC-401が出てこなかったのはなぜ?」という疑問はごもっとも。これについて語るには、日立デジカメのもう一つの系譜について説明する必要がある。 日立デジカメのビジネスモデルは、非常に程度の低いOEM製品に日
闇に隠れて生きる 日立デジカメ (4) 気違い兄弟 あなたの家族や親戚にも、一人や二人は思い出したくない人がいるだろう。一族の中でその人の名前が出ると、皆が黙ってうつむいてしまう。ダメ一族にもそんな人が二人ほどいる。私は彼らを他に言葉がみつからないので「気違い兄弟」と呼んでいる。一人目はこれだ。 HDC-52K 気違い次男 私はこの機種はカメラ史の中で一番程度が低い部類だと思う。ただみっともない。 中国の街角を歩けば、いまでもこういったデザインの雑貨に出会うことができる。しかしそれらは一流のデザインに触れる機会も無く十分な資本を持たない小さな工場の人たちが何とか人目を引こうと努力した結果の産物である。考えようによっては清々しい。 また、カメラ史上(特に東欧や中国には)性能やデザインが稚拙なものは多く存在する。しかしそれらはどうしようもない外的要因から生じた産物であり、よく見れば工夫や可愛ら
闇に隠れて生きる 日立デジカメ (2) i.megaというサブブランド 日立デジカメはi.megaというサブブランドを持っている。パナソニックのルミックスやソニーのサイバーショットのようなものだ。表舞台に立つことがない日立デジカメになぜサブブランドが必要なのかわからないが、とりあえず作ってみたかったのだろう。それにしても表記が全部小文字だとか、中にドットが含まれているとか、読み方がよくわからない(多分アイメガだと思うが)とか、ブランドネーミングの作法から全てが外れている。「i.mega」の意味については日立リビングサプライが2004年5月10日付けで出したプレスリリースでこのように述べられている。 ・・・・今回のデジタルカメラ(HDC-401)は、『さまざまな"I"(個性[Individuality]、主義[Ism]、私[I])に対応するために、「Mega」クラスの"I"(アイデア[Ide
闇に隠れて生きる 日立デジカメ (1) カメラ店では見つけられないデジカメ 日立製作所と言えば日本を代表する大企業で、原子力発電所から電球まで様々な物を作っている。ところがデジカメは作っていない。それなのになぜ日立デジカメが存在するのか、まずここから話を始めよう。日立製作所は国内だけでも数百の関連会社がある。これらは多かれ少なかれ日立製作所と関連しているので、ニセ日立ではなく「日立の一種」である。その中に日立リビングサプライという会社があり、ここが「日立デジカメ」を出しているのだ。もちろん日立リビングサプライが自力でデジカメを開発しているわけではなく、どこかのメーカーがOEM製品として作ったものに日立のブランドを付けて販売しているだけだ。ところがこの「日立デジカメ」はカメラ本体やパッケージに「HITACHI」とか「Inspire the Next」とか書いてあるわけだから、普通の人は日立製
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