講義ノート 経済学のための確率過程論入門 増山 幸一 明治学院大学経済学部 2006 年 10 月 始めに Frisch や Slutzky らによる景気循環論に見られるとおり、確率過程モデルを用いて経済分析を行う方 法は、最近始められたものではなく、1930 年代にまで遡る.周知の通り、時系列分析や計量経済学では確 率過程論の知識は必須のものであったし、それ以外の経済学の多くの領域でも確率過程に基づくモデル化 が重要な役割を果たすようになっている.例えば、近年急速な発達を見せているファイナンス理論では、資 産価格の変動を確率微分方程式によって表現して、これに基づいてブラック=ショールズ方程式などから、 オプション価格を計算するという手続きが取られる.リアル・オプション・アプローチでは、実物資本への 投資から得られるであろう将来収益の変動が幾何的拡散過程のような確率微分方程式で表
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