企業IT化を推進する上で大きな障害となるのは、システム管理者、社員、そして経営層、それぞれの立場の違いから生じる意識や方策のズレだ。特に、システム管理の立場で「これで大丈夫」と思っていることが、社員には負担を強いる結果になったり、現場の生産性を落としてしまうことも往々にしてある。ここで紹介するのは、会社の経営層/総務部門がトップダウンで決定した、営業部門へのW-ZERO3導入の成果に関する事例である。 トップダウンで決まったW-ZERO3の導入 ある中堅企業A社は、営業担当者の携帯電話の通話コストの増大に頭を悩ませていた。営業担当の連絡手段は携帯電話しかなく、予算の関係上、1人1台のノートPCを配布することも難しかった。中には、私物ノートPCを持ち歩いて仕事を進める社員もいるが、そのノートPCを社内LANに接続して使われると、ウイルスやワーム感染の危険にさらされるため、何とかしてやめさせた