人間の便を研究するベンチャー企業「AuB(オーブ)」の社長、鈴木啓太さん(39)。サッカー元日本代表で、浦和レッズの中心選手として活躍した。転機となった中東遠征、苦しんだ資金繰り……。「便はダイヤモンドより価値がある」と、“うんちビジネス”にまい進する第二の人生に迫った。【尾形有菜】 「人の心を動かせた時が感動します」 東京・京橋駅近くにあるシェアオフィス。社員が「啓太さん」と親しげに呼ぶ先に、白いトレーナーに黒のパンツと、ラフな格好をした鈴木さんがいた。最近は新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワーク中心。緊急事態宣言中の1月12日は、週に1度の出社日だった。 「在宅ワークで生活を見直したら、早く寝て、早く起きてしまうんですよね。起きてちょっと活動して。バナナのようなするっと出るうんちが自分は良い便だと思うんですけど、今日も調子は良かったです」 AuBは、アスリートの便をもとに腸内環境