ネットではより過激になりうる「買い手独占(モノプソニー)」 2009年9月24日 (これまでの 歌田明弘の「ネットと広告経済の行方」はこちら) 前回まで、流通が力を持つようになった結果、広告にどのようなことが起こるかを書いてきた。 流通が価格決定権を握るようになった結果、メーカーは、マスコミを通じて宣伝するよりも、強力な流通業者に販促費を払って自社の商品を売ってもらうほうが効率的という考え方になりがちだ。流通業者も、どんなに大きくなっても一つひとつの店舗で勝負しているので、店舗の周辺に宣伝するのであればチラシなどの広告のほうが効果的ということで、マス広告を減らすようになるといったことを書いた。 流通が力を持ったときに何が起こるのかをもっとも端的に示したのは、チャールズ・フィッシュマンの著書『ウォルマートに呑みこまれる世界』だ。ウォルマートは全米最大、世界最大の企業で、2年前まで「いつも低