『結局のところ、日本には資本主義が根付かないのだ』 残念ながら最近このように発言する(外資の)市場関係者が増えてきています。 先日ある外資系投資銀行大手のアジア・太平洋地域のCEOが東京から香港に移り住むことになりそうだとの話を耳にしました。 従来の『ニューヨーク・ロンドン・東京』の3極体制から、中国を視野に入れた『ニューヨーク・ロンドン・香港』の3極体制への動きが少しずつ水面下で進行しつつあります。 背景にあるのは世界第2位の経済力(生産・消費力)を持つ日本が金融面ではなかなかそれに見合った力を発揮できずにいることに対する失望かもしれません。 最近株式トレーダーを『バカで浮気で無責任』と批判する経済産業省次官の発言がニュースになりましたが、トレーダーや外国人投資家を排除しようとする動きは東京市場を異質なものとして世界で孤立化させ、上述のようなジャパン・パッシング(Japan Passin
最近良く耳にするパイプス(PIPEs) という言葉。(まだ余り金融の教科書などには載っていません。) 投資銀行やプライベート・エクウティの仕事に従事されている方は、ご存知なんでしょうが、パイプス(PIPEs) とは、Private Investment in Public Equity の略です。 一般に、プライベート・エクウティと称されるファンド(特に企業再生を得意とする再生ファンド)は、上場会社を100%(か、それに近い形で)買収して、非公開化してから経営を立て直し、再び上場させて上場益を得ます。 例えば、2000年11月に Silver Lake を中心とするファンドなどが Seagate の経営陣と共に22億ドル(2600億円)を投じて、Seagate(ハードディスク・ドライブで有名です)を買収。非公開化して経営を強化した後、2002年12月に再上場し、更に2003年7月に株式のs
スティール・パートナーズ対ブルドックソースの攻防。 連日のように新聞紙上を賑わしています。 スティール・パートナーズがブルドックソースの株式を保有していることが最初に判明したのが、2002年12月。その直前のブルドックの株価はほぼ600円。 株式市場は、ブルドックソースの企業価値(ここでは簡略化のため、株主価値=企業価値と置きます。後述するようにブルドックの借入金は殆どありませんので、本件では株主価値=企業価値と置いても特段の問題はありません)を、 600円×19百万株(ブルドックの株数)=114億円 とみていた訳です。 ブルドックの営業利益や経常利益は9~10億円のレベルであったので、DCF (Discounted Cash Flow) で算出しても (あるいは超簡便法で年間の営業利益の10倍という方法をとっても)、まあ、株式市場は、それなりに妥当にブルドックの企業価値を把握していたのだ
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