李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2986号よりつづく) 以前に,砂糖を健康有害物質として規制する運動があることを紹介したが(第2978号),5月31日,ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長が,肥満対策の一環として,16オンス(473 mL)を超える大型サイズ砂糖入り飲料の販売を禁止する方針を明らかにした。 NY市長の肥満対策に保守派が「お節介」と反発 ブルームバーグ市長は,これまで,公共の場における喫煙を全面禁止したり,レストランにおけるトランス脂肪酸の使用を禁止したり,メニューのカロリー表示を義務付けたりと,市民の健康対策に力を入れてきた実績で知られている。今回,「肥満対策をさらに強化しなければならない」と,砂糖入り飲料の規制に踏み込んだのである。 しかし,「肥満は公衆衛生上の大問題だからその対策に力を入れるのは為政者の義務」とするブルームバーグ市長の姿勢に対し,保守派は「市
![〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第227回 「肥満は自己責任」論の不毛 医学書院/週刊医学界新聞(第2988号 2012年07月30日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8a4dff8a9e522297397c704998bf26eb76ca2858/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.igaku-shoin.co.jp%2Fpackages%2Figaku_shoin%2Fthemes%2Figaku_shoin%2Fassets%2Fimages%2Figakushoin_paper.png)