将棋の藤井聡太王位(22)が今月9日、静岡県牧之原市を訪問した際、市内の旧家で今春見つかった200年以上前の詰将棋(つめしょうぎ)が披露されました。藤井王位が一目で解いてみせたこの詰将棋に、解答とは別の謎が秘められていたことが、その後の調べで分かりました。愛好家が「約20年ぶりの大発見」と興奮し、藤井王位も「気づかなかった」と驚いた、図面に隠された秘密とは―。東京新聞連載「バン記者・樋口薫の棋界見て歩き」の「盤外編」としてお伝えします。(樋口薫)
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
東京外郭環状道路(外環道)工事を巡り、東京都調布市の職員が昨年10月に陥没事故周辺に住む市民ら13人と面談した際、市民の了解なしに録音し、文字起こしした内容を東日本高速道路など事業者側へ提供した「面談メモ」の一端が明らかになった。13人のうちの1人の50代女性が、自らの情報を請求する「自己情報開示請求」で市から文書を入手した。女性は「私のしゃべったこと全てだ」と市の対応を批判している。 女性は、2020年10月に外環道のトンネル工事ルート上で陥没事故が発生する約10カ月前にルートから約10メートル離れた新築物件に引っ越した。入手した面談メモには、自宅の建物や基礎に十数本のひびが入ったり、振動や騒音による健康被害を受けたりしたことを克明に語った内容が一字一句漏らさず記されていた。 女性は取材に「面談時の一人一人の発言をそのまま事業者側へ流されるとは思ってもみなかった。自分の人格までもにおわせ
政府の観光支援策の「Go To トラベル」事業に参加登録している長野県のホテルで、新型コロナウイルスの感染者が出たことが分かった。4日に国会の野党ヒアリングで野党側が指摘したが、事業を所管する観光庁の幹部は把握していなかった。 「Go To」は、コロナで大きな打撃を受けた観光事業者を救う重要施策だが、感染拡大を助長する懸念もある。野党からは「感染者が出たという基本的な事実もつかめていないのに、感染防止と事業の両立が図れるのか」と批判が出た。 ヒアリングでは、野党側が「『Go To』の利用者で感染者はいるのか」と繰り返し問い、そのたびに観光庁幹部は「参加登録している宿泊事業者、旅行業者からの報告は受けていない」「宿泊事業者が感染者を把握していたら報告が上がる仕組みになっている」と返答していた。
JR山手線に十三年ぶりに投入された新型車両E235系でトラブルが相次いだ問題で、原因の一つは、新車両の初走行に鉄道ファンらが詰め掛けて実車での走行試験時を大きく超える重さがかかり、ブレーキを制御する新システムに不具合が生じたためと分かった。山手線の乗車率はラッシュ時は180%を超えるが、JR東日本は実車試験を、座席に余裕がある程度の40%までしか行わず、コンピューターでのシミュレーションを過信した「見切り発車」が災いした。 (皆川剛) 三十日午後三時すぎ、大崎駅での初走行のセレモニーを終えて走り出したE235系は、約五分後、二つ隣の目黒駅で停止位置を五十五センチ行きすぎて止まった。ホームドアと列車ドアが三十五センチ以上ずれるとドアは開かない仕組みで、停止位置を修正した。 「乗客の荷重が想定外だった」。一日、JR東の担当者は原因を説明した。E235系で導入された新システム「INTEROS(イ
安全保障関連法案をめぐり、衆院憲法審査会で憲法学者三人が憲法違反との見解を表明したことに対し、自民党の高村正彦副総裁は五日午前の役員連絡会で「憲法学者はどうしても(戦力不保持を定めた)憲法九条二項の字面に拘泥する」と反発した。高村氏は法案に関する与党協議の座長を務めた。
【ベルリン=宮本隆彦】洗剤メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)がドイツで売り出した粉末洗剤の容器に、ネオナチがナチス・ドイツの独裁者ヒトラーを礼賛する隠語として使う数字の「88」などが使われ、買い物客の指摘を受けて出荷が停止された。DPA通信が九日伝えた。 容器はサッカーのドイツ代表のユニホームを模し、背番号として「88」がデザインされていた。通常より五回多い八十八回分の洗濯ができる増量サービスの宣伝だった。ところがヒトラーを崇拝するネオナチの間では「88」は「HH」を意味し「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)」の隠語。AP通信によると、P&Gは「アドルフ・ヒトラー」を意味する「18」が容器に書かれた液体洗剤も出荷を停止したという。
環太平洋連携協定(TPP)交渉について、米通商代表部(USTR)の高官が、日本の参加を認めるには米政府・議会の非公式な事前協議が必要で、参加決定に時間がかかるため「受け入れが困難になりつつある」との認識を示していたことが、日本政府の内部文書で分かった。正式協議を合わせると米議会の参加承認を得るのには半年間程度が必要な見込みで、早期参加表明しても来夏にまとまる予定のルール策定作業に実質的に加われない可能性も出てきた。 日本に有利な条件を得るため早い参加が必要、というTPP推進派の主張の前提条件が崩れかねない状況だ。 野田佳彦首相は、今月十二、十三日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で参加表明を行いたい意向とみられ、民主党内で調整中。表明すれば、これが最速となる。 日本政府は、米国の承認手続きに関連し、米議会の了承には最低九十日間の協議期間が必要としていたが、事前協
ナイフ付き万能工具を所持していたとして軽犯罪法違反容疑で摘発された東京都内の私立大学専任研究員の男性(43)が、警視庁の職務質問で過大な精神的苦痛を受けたとして二十一日、都と警視庁に慰謝料百万円の国家賠償と指紋など個人情報の消去、工具の返還を求める訴訟を東京地裁に起こした。 訴状によると、男性は二〇〇八年六月の未明、帰宅中に北区の路上で警視庁自動車警ら隊の警察官三人から職務質問を受けた。「刃物は持っていないか」と問われ、災害に備えてポリ袋に二重に包んでリュックに入れていたナイフ付き万能工具を見せた。 刃渡り六センチ以下の刃物を正当な理由なく所持したとして、軽犯罪法違反容疑で目白署に任意同行され、供述調書、全身と顔の写真、指紋をとられた。書類送検され、起訴猶予となった。男性は災害用という正当な理由があり、同法違反は成立しないと主張している。
民主党などで検討されている永住外国人への地方参政権付与をめぐり、東京都の石原慎太郎知事が十七日、都内の集会で「帰化された人、そのお子さんはいますか」と会場に呼び掛けたうえで、「与党を形成しているいくつかの政党の党首とか与党の大幹部は、調べてみると多いんですな」と発言をした。 発言は、自民党を中心とした地方議員ら約五百人が参加して千代田区内で開かれた「全国地方議員緊急決起集会」の席上であった。「(帰化した人や子孫が)国会はずいぶん多い」といい、根拠を「インターネットの情報を見るとね。それぞれ検証しているんでしょうけれど」と人物は特定せずに説明し、与党にも言及した。 石原知事は「それで決して差別はしませんよ」としながらも、続けて朝鮮半島の歴史に触れ、韓国政府が清国やロシアの属国になるのを恐れて「議会を通じて日本に帰属した」として一九一〇年の日韓併合を韓国側が選んだと話し、「彼らにとって屈辱かも
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