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ブックマーク / ncode.syosetu.com (1)

  • ログ・ホライズン - 061

    転移に付きものの立ちくらみにも似た感覚のあと、シロエは広大な白い砂浜に立っていた。 朝焼けにも似た清澄な光が波打ち際を照らしている。 ゆっくりとくりかえす波はレース模様の泡を引いてかすかな音を奏ていた。 遠く視界の果てまで続く白と青の境界線。 一歩を踏み出して、ミルフィーユを崩したような足元の音にシロエは驚いた。 穢れのない砂浜を畏敬にうたれながらシロエは歩き出した。 じっとしていても仕方ないからではあるし、何かに導かれる様でもあった。 頬を打つ風に視線を上げると、大きな影がシロエの後方から天頂へと向う。 あの優美な翼は何かの海鳥だろうか? 暗いコバルトの空の中で、白い姿が同類と戯れるように舞っている。 風をつかまえたその飛行はなめらかで、シロエは昔読んだリチャード・バックの小説を思い出した。あのカモメのように海鳥はどこまでも羽ばたいてゆく。 (それにしても不思議な場所だな……) 臨死体験

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