山口県光市で当時18歳の少年に妻子を殺害された本村洋さんが平成19年版「犯罪被害者白書」に「遺族の思い」と題して手記を寄せた。寄稿された手記は以下の通り。 1 事件発生まで 平成9年11月3日 結婚 私と妻は、共に21歳の時に結婚しました。当時、私は広島大学工学部の4年生であり、妻は福岡県在住の会社員でした。いわゆる遠距離恋愛でした。 私達に新居はなく、広島と福岡の別居生活でした。2人が結婚した証は、妻に授かったお腹の子供が日々大きく成長することだけでした。 私は、妻と共に暮らすことができない無力な自分が悔しくてなりませんでした。 しかし妻は、そんな私を一度も責めませんでした。そして、笑顔で「11月3日の『文化の日』に入籍しようね。だって、結婚記念日が祭日だったら、毎年一緒に記念日を過ごせるよ」と言ってくれました。どんな時も前向きな妻は、いつも私を支えてくれました。 私は、妻を幸せにしたい