未曾有の格差社会を作り出した小泉改革 ―― 06年11月には、戦後最長(57ヶ月)だった「いざなぎ景気」を超える景気回復を示したが、景気回復の実感や恩恵が広く国民一般に享受されていない。 その通りだ。小泉流の規制緩和による今回の景気回復とは、要するに企業がリストラの名の下に、それまでは正規終身雇用だった人材を非正規雇用、人材派遣に切り替えるという人件費圧縮策を強行した結果だ。景気回復さえ達成すればすべての問題は解決する、という政府の当初の目論見は崩れている。 政府は旧来どおりの、「景気回復 → 企業の設備投資増加 → 企業収益増加 → 個人所得増加 → 個人消費拡大 → 景気拡大」という循環図式を思い描いていたが、そもそも小泉改革が、同時に旧来の日本の社会構造を破壊してきたことに気づいていない。いまの景気回復で企業は史上空前の増収増益を記録しているというのに、それが一向に株価に反映されてい