信用バブルが崩壊し、レバレッジ礼賛の時代は過ぎ去った。宴(うたげ)の後は、第2次大戦後最悪の金融危機だけが残り、収束の兆しはまだ見えない。それを乗り越えられれば、国際金融界は厳しいルールの下で安定的な、見方によっては「退屈な」10年(あるいは数十年)を迎えるだろう。 今後の規制強化では、「高過ぎるレバレッジ」と「過度のリターン期待=強欲」をどう抑えるかが焦点となる。対象は、国境を越えて活動するヘッジファンドや巨大銀行に限らない。日本では個人投資家が投機的取引に向かう傾向があり、リテール金融に対する包囲網が狭められ始めた。 まず、金融庁が標的とするのは、外国為替証拠金取引(FX)。今年、FX業界に対する抜本的な規制強化に乗り出す。顧客から預かる証拠金の分別管理を徹底させるため、「全額信託保全」を義務付ける方向。業界の反発は強いが、金融庁はレバレッジ倍率、それ自体の制限もちらつかせ、押し切る構