防衛大学校で必修科目となっている「防衛学概論」で使用される教科書『防衛学入門』が、第二次世界大戦について「自衛を基本とし権益の増大とその衝突」などと記述されていることがわかりました。同教科書は十日までに本紙が政府関係者から入手したもの。日本政府の立場に反して、日本は侵略国家ではないとした論文で更迭された田母神俊雄前航空幕僚長の論旨とも類似する内容で防衛大学校の歴史教育が問われます。 『防衛学入門』は安倍内閣当時の二〇〇七年三月に、同大学校防衛学教育学群国防論教室が編さん。同書は「防衛大学校において教育する防衛学の全体を範囲とし、4年間の教育期間に取り扱う防衛学各分野を総合したもの」(はしがき)と位置づけられ、「安全保障」「現在の戦略」「わが国の防衛と自衛隊」など七章、全文百四十三ページです。 第四章第二節「世界戦争史」では第二次世界大戦までの戦争について「苦役的・刑罰主義的なヴェルサイユ体