文春文庫「瀬島龍三 参謀の昭和史」保坂正康著 1991年2月、㈱文藝春秋より出版。 たまたま本屋で発見して、購入した。 読んで、ぐいぐい惹きつけられた。 読み終わって、感動した。 本書の主役「瀬島龍三」に…ではない。 本書の著者「保坂正康」に…である。 私が作家・保坂正康氏の名を知ったのは、昨年、講談社出版の「昭和史七つの謎」と題する本を買い求めた時であった。 なぜ日本は、「負け戦」とわかっていた太平洋戦争に突入してしまったのか? そしてなぜ日本人は未だに、「戦争責任」について語ることを忌避し続けるのか? 私はその疑問に、既に自分なりの仮説を持っている。 その仮説を検証する目的で、太平洋戦争前後について書かれた本をいろいろ探し求めていた。 そして保坂氏が、「太平洋戦争」を冷静に客観的に分析される「日本に数少ない」人物のお一人であることを認識した。 一方、瀬島氏についても、私は伝説めいた「瀬