前回のキッコーマンの醤油に引き続き、食特集2回目だ。醤油は、海外市場に根づいた「日本食ではない調味料」だということを前回は見ていった。キッコーマンの醤油が売れるには、所得水準が高いという条件があげられ、北米市場の成熟化と欧州市場の急伸という2つの流れの背景を説明した。アジア市場は、欧米の両市場とも異なり、「醤油とは何か」を説明する必要がない。それだけに参入が簡単な市場とも思えるが、現地の醤油との差別化が難しい。大きくブレイクするには、もう少し時間が必要である。 「海外における日本食の受け入れられ方」として寿司の事例で見たように、食は実にロジカルな世界である。ダイエット、ヘルシー、トレンディというキーワードが効いて、寿司が世界に普及している。単純に「日本で美味しいものが世界に通じる」というわけではない。世界各地で、そこに住む人の味覚は違う。その差を踏まえたうえでのプレゼンテーションが必要だ。
![「東京のフレンチはうまい」の勘違い:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)