タグ

ブックマーク / sessai.cocolog-nifty.com (48)

  • 大阪維新「船中八策」の「馬脚」 - 雪斎の随想録

    ■ 大阪維新の会の「政策綱領」が世に出た。 これを「船中八策」と呼び習わしたのは、率直に愚昧、軽薄の沙汰であろう。 雪斎は、坂龍馬に自分を仮託しようという政治家を信用しないことにしているので、これが橋下徹大阪市長の意向での命名でならば、その時点で橋下市長に対する評価は「暴落」である。龍馬は、「設計図は書いたかもしれないが、実際の建築には携わらなかった」人物である。「体制を考えた人々」と「体制を作った人々」の間には、途方もない開きがある。 橋下市長の「失速」は、意外と早かったようである。こういう政策綱領を出してくること自体、彼らが、きちんした政策吟味をしていないことを暴露している。 ◇ 統一性の薄い全体像 「船中八策」は、「それを、どのように実現するか」という考慮が、まったく働いていない文書である。首相公選制度の導入には、憲法改正の手続きが要る。先に、参議院廃止と打ち上げてしまった後で、参

    大阪維新「船中八策」の「馬脚」 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2012/02/15
  • 輜重輸卒が兵隊ならば… - 雪斎の随想録

    ■ 一言だけを書く。 □11大使が31日に合同説明会 11大使が31日に合同説明会 国会議員に給油継続訴え インド洋での海上自衛隊による給油活動継続の必要性を訴えるため、米英両国やパキスタンなど計11カ国の駐日大使が31日、与野党国会議員を対象にテロ掃討の「不朽の自由作戦」(OEF)や海上阻止活動に関する合同説明会を都内のカナダ大使館で開催することが24日、決まった。新テロ対策特別措置法案の早期成立に向け、「有志連合」が政府を援護する。 参加国はこのほか、イタリア、ドイツ、フランス、スペインなどでいずれもアフガニスタンやインド洋に部隊派遣している。シーファー米大使も出席するが、給油活動は「対米支援」との印象を避けるため「極力発言は控える」(在京外交筋)意向だ。 説明会ではOEF、海上阻止活動に従事している英海軍幹部らが、具体的な活動内容や海自による給油活動の意義を解説。議員側からの質問も

    輜重輸卒が兵隊ならば… - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2011/07/22
  • 前原誠司の辞任 - 雪斎の随想録

    ■ 前原誠司外務大臣が辞任である。 誠に残念な結果である。 だが、余り長引かせずに身を引いたのは、彼にとっては、よい結果に結びつこう。 ここは、一層のこと、議員バッジを外すくらいのことまで徹底させれば、「禊ぎ」を充分に行ったことになろう。 もっとも、「禊ぎ」が済んだ頃に、民主党が政権を維持できているのかは、定かではない。 政治資金規正法上、外国人からの資金提供が禁止されているのは、「外国人の影響力」が国政に反映される事態を排除するためである。現行刑法上、最たる重罪はl、外患誘致罪である。近代主権国家の建前は、その意志決定に際して、他国からの影響を排除するということである。国内の「反社会勢力」からカネを受け取るということ以上に、外国人からカネを受け取ることのほうが重大である。 前原大臣の場合、件の焼肉店店主に、「カネは受け取れないけれども、気持ちは有り難く受け取っておくよ」と一言を掛けていれ

    前原誠司の辞任 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2011/03/07
  • 対韓同盟という「迷い」 - 雪斎の随想録

    ■ 昨年、日は、「世界第二の経済大国」の座から転落したらしい。 「らしい」というのは、指標の読み方では、「まだまだ…」という声もあるからである、 とはいえ、日が復活するまでの道は険しそうである。 ところで、日の対外政策における「迷走」は、まだまだ続きそうである。 こいう動きには、どう反応すべきであろうか。 □ 韓国と安保同盟を=前原外相が提案―新聞報道 時事通信 1月3日(月)1時17分配信 韓国紙・毎日経済新聞(電子版)は2日、前原誠司外相が同紙とのインタビューで、「韓国と安全保障分野でも同盟関係を結ぶことを希望する」と述べたと伝えた。 外相は「北朝鮮の武力挑発は朝鮮半島はもちろん、東アジア全体の安定と平和を脅かす行為だ」と指摘。「新年の日外交の最大の懸案の一つは、隣国と確固たる安全保障体制を構築することだ」と語ったという。 この記事がデマではないという前提で書く。 前原の着眼点

    対韓同盟という「迷い」 - 雪斎の随想録
  • 日本鬼子(ひのもと おにこ) - 雪斎の随想録

    ■ 「何をやってんだか…」と思う。 □ <日中首脳会談>見送り 野党からは菅政権批判も 毎日新聞 10月30日(土)0時13分配信 日中首脳会談が見送られたことで、沖縄県・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を巡り、日政府への批判が再燃する可能性もある。自民党の石破茂政調会長は29日夜、毎日新聞の取材に「(中国人船長の釈放を)検察のせいにし、政府の意思を示さないからこういう事態になった」と述べ、菅政権を批判した。 自民党中国漁船衝突事件のビデオ映像を全面公開するよう求めており、「中国に配慮しても外交のプラスにはならない」(「影の外相」の小野寺五典衆院議員)として、攻勢を強める構えだ。 一方、民主党の枝野幸男幹事長代理は29日夜、記者団に「会って話をすることを否定するのは理解しがたい」と不快感を示した。 存外、日が対中関係を切りまわしていたのは、小泉、安倍時代ではないかと思えてきた。総理大臣自

    日本鬼子(ひのもと おにこ) - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/10/31
  • 対中ネガティブ・イメージの拡散 - 雪斎の随想録

    ■ 尖閣に関して、中国が南沙諸島・西沙諸島でも騒動を引き起こしている「問題児」である実態が頻繁に伝えられているのは、結構なことである。しかも、それが、「欲深な中国」というイメージの拡散と重なり合っているのだから、中国の被るダメージは、かなりのものになるであろう。 何分、日人の価値意識からは、「欲深い」というのは、最も嫌われる性向である。 『花咲か爺』『舌切り雀』『鶴の恩返し』『金の斧 銀の斧』・…。 日の昔話で戒められているのは、この「欲深い」という性向なのである。 一旦、ついたネガティブ・イメージの払拭は難しい。 「ソフト・パワー」軽視の帰結であろう、 ところで、前のエントリーで、検察審査会のことを書いたら、早速、動きがあったようである。 □ 【尖閣衝突事件】検審に審査申し立て 福岡県内の男性 産経新聞   2010.9.27 19:35 27日、故郷に戻り歓迎を受ける中国船船長(中

    対中ネガティブ・イメージの拡散 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/09/29
  • 対中「臥薪嘗胆」の時節 - 雪斎の随想録

    ■ 金曜日、八戸に行っていた。母校での講演である。 一旦、宮城県北の故地に立ち寄って、日曜夜に帰京である。 ネット環境未整備なので、情報遮断の状態になっていた。 「尖閣」の「その後」が気になっていた。 釈放で決着かと思いきや、中国政府は、「謝罪と補償」を要求したそうである。 「いいわ…。もっとやって…」と雪斎は、反応した。ただし、雪斎は、マゾヒストではない。 日における「対中幻想」が崩れれば崩れるほど、それは、中国政府の足元を揺さぶる。 民間企業関係者を脅せば、中国からの資流出が加速する。 日だけでなく、他の国々も、「チャイナ・リスク」を認識するようになるであろう。 「チャイナ・リスク」が世界のコンセンサスになれば、それで中国の発展は失速する。 清朝というひとつの王朝の崩壊前夜を描いた『蒼穹の昴』が昨日からNHK総合で放映されているのは、何の暗示であろうか。ドラマとしては、「よい作品

    対中「臥薪嘗胆」の時節 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/09/27
  • 勝つと思うな。思えば負けよ。 - 雪斎の随想録

    前原・クリントン会談で「尖閣は日米共同防衛の範囲以内」と再確認された。菅・オバマ会談でも、この再確認を 受けて、日米連携で一致した。 □ 日米首脳、「尖閣」連携で一致…普天間合意推進 読売新聞 9月24日(金)12時3分配信 【ニューヨーク=東武雄、志磨力】菅首相は23日夕(日時間24日朝)、ニューヨーク市内のホテルでオバマ米大統領と約1時間会談した。 両首脳は、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で日中間の緊張が高まっていることに関連し、中国の動向に日米ともに関心を持って注視し、緊密に連携していくことで一致した。 尖閣諸島への日米安全保障条約の適用については、クリントン米国務長官が同日午前(同23日夜)の前原外相との会談で言及しているため、「それを前提に首脳会談が行われた」(首相同行筋)という。一方で大統領は「中国との協力関係も大事だ」と述べた。 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題につ

    勝つと思うな。思えば負けよ。 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/09/26
  • 小沢一郎と日本の「失われた二十年」 - 雪斎の随想録

    ■ もう少し涼しくなっているはずであるけれども、どうしたものか。 各種世論調査の結果は、小沢一郎に対する忌避感情が半端でないことを示している。 雪斎は、小沢一郎という政治家を全然、評価していない。 過去二十年、日政治は、彼を中心に回った。 だが、その二十年は、「失われた20年」となった。 小泉純一郎執政期は、小沢一郎が実質上、沈黙していた時期であった。 この時期の終盤は、漸く「デフレ脱却」がささやかれた。 小沢一郎が黙ってくれていた方が、日のためになった一つの事例であろう。 石破茂自民党政調会長も、「小沢氏の影響力は徹底して排除する」ことを説いている。 彼も、自民党脱党、新生党、新進党、自民党復党という軌跡をたどった。 雪斎も、「永田町」で、石破氏と同じ風景を観ていた。 一時期、雪斎は、小沢一郎新進党代表・愛知和男政審会長という体制だった折、愛知政審会長の「参謀」役だった。 だから、

    小沢一郎と日本の「失われた二十年」 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/08/31
  • 菅直人再選でよろしいでしょう…。 - 雪斎の随想録

    ■ 「権力」を握れば、周囲が見えなくなるらしい。 □ 退陣要求が続出=消費税発言「心からおわび」と首相―再選出馬を表明・民主両院総会 7月29日20時5分配信 時事通信 民主党は29日午後、大敗した参院選を総括するため両院議員総会を東京・永田町の憲政記念館で開いた。菅直人首相(党代表)は、消費税増税を掲げたことを「不用意な発言で、重い、厳しい選挙を強いたことを心からおわびする」と陳謝。その上で、9月の党代表選に触れ「わたし自身の行動を含め、判断してもらう」と述べ、再選を目指して出馬する意向を事実上表明した。一方、出席者からは、首相の退陣を求める声が相次いだ。 首相としては、同日の両院総会で責任問題に区切りを付けた上で、30日召集の臨時国会を乗り切り、再選への流れをつくりたい考えだった。首相の続投に根強い異論があることを裏付けた形だ。 冒頭、あいさつした首相は、参院選大敗を陳謝し「全員野球で

    菅直人再選でよろしいでしょう…。 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/08/05
  • 「敵」のイメージ - 雪斎の随想録

    ■ フランシスコ・デ・ゴヤが遺した傑作のひとつが、『1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での虐殺』である。 19世紀初頭、皇帝に即位したナポレオン・ボナパルトの軍隊がスペイン全土を支配下に置いたとき、その支配に抵抗したマドリード市民が蜂起したところ、ナポレオンの軍隊に鎮圧された。この事件を題材にした作品には、初めて観たときには、パブロ・ピカソの『ゲルニカ』よりも、おぞましい印象を受けた。 18世紀以前のヨーロッパにおける戦争は、大体、王侯貴族が傭兵をも使って手掛ける戦争であった。だから、戦争するのは、あくまでも「ユニフォームを着た兵士」であり、それも、一定のルールに則った上での話になる。戦闘中命を落としても互いに「恨みっこなしで、別れましょうね」という具合になる。晴れて凱旋できれば、「富」と「栄誉」が待っているという具合になる。 ところが、戦争を生業としているわけではない普通の市民が戦

    「敵」のイメージ - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/05/06
  • 政治における「敵」の三つの類型 - 雪斎の随想録

    ■ 前のエントリーで、民主党青森県連代表の「反革命分子」発言を批判した。 雪斎が小泉純一郎時代の「構造改革」を支持していたことに対する皮肉の意味合いもあるのか、「それならば、政敵を抵抗勢力と呼んでいた小泉は、どうなのか」という反応がある。 結論からいえば、「全然、同じではない。違うであろう…」というところである。 政治という営みの質は、「友」と「敵」の峻別にあることを指摘したのは、カール・シュミットだった。 忘れていけないのは、シュミットは、その「敵」を三つに分類していたことである。。 どのように分類したのか。 ① 在来型の敵 ② 現実の敵 ③ 絶対の敵 ①は、ゲームにおける「敵」のイメージである。サッカーのチームが、相手チームの監督を「敵将」お呼ぶイメージである。だから、「敵」に対する憎悪の感情は、ほとんどない。戦争が終われば、「敵」とも握手して別れる。 ②は、自分の安全や利害に対して

    政治における「敵」の三つの類型 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/05/01
  • 「反革命分子」の思考 - 雪斎の随想録

    ■ 鳩山内閣には、懸案を処理していく「推進力」は、もはやない。 普天間基地案件の決着は、雪斎が読む限り、次の三つのシナリオしかない、 ① 鳩山総理が、苦渋の決断を演出して、「現行案」に近い線での落着を図り、政権の維持を狙う。 ② 鳩山総理が、自分の首と引き換えに、「現行案」に近い線で落着させる。 ③ 普天間移設が、実質上、頓挫する。 この件jは、あとで、あらためて書くことにしよう。 ところで、民主党のウェブ・サイトを見ていたら、次のニュース記事には、腰を抜かした。 ○ 小沢幹事長「民主党青森県連躍進パーティー」で挨拶 腰を抜かしたのは、次の記述である。 主催者を代表して、横山北斗県連代表が「昨年の総選挙では、まさに革命と呼ぶにふさわしい出来事として、私たちは政権交代を実現したが、革命の後は、反革命が起こる」とし、「今、民主党を批判する反革命分子に負けずに、この危機を乗り越えて行かなければな

    「反革命分子」の思考 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/04/29
    「非国民」の左バージョンでしょうか
  • 「哀れでイカレタ」宰相を戴く悲劇 - 雪斎の随想録

    ■ 昨日昼刻以降、フランス大使公邸で大使主催の昼会に出席した。 「つくづく、キタノ・タケシは偉大だ」という話になった。 ■ 鳩山由紀夫を「哀れでいかれた」と評した「ワシントン・ポスト」のコラムが話題を呼んでいる。 だが、こうした鳩山評がでてくること自体は、何ら驚くに値しない。 「いかれた(loopy)」という言葉を格調高い四文字熟語で表せば、「支離滅裂」となる。 雪斎は、昨年11月上旬、政権発足後、50日程たった時点で、「『破局』へ歯車を進める鳩山外交」と題したコラムを書いた。そこで、雪斎は、「鳩山由紀夫内閣発足後50日余りの対米政策は、誠に支離滅裂なものであると評する他はない」と書いた。だから、雪斎は、「ようやくワシントン・ポストのコラムニストが、余輩に追いついてきたか…」と苦笑する。 もっとも、鳩山が酷評されたところで、雪斎には、「自国の宰相」のことを弁護しなければならない理由はない

    「哀れでイカレタ」宰相を戴く悲劇 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/04/18
  • 日米「太平洋」同盟の試練 - 雪斎の随想録

    ■ 普天間基地移設案件は、迷走の最中である。 名護市長選挙で、「移設受け容れ反対派」が勝利を収めたのは、予測の範囲内であったけれども、その後に、平野博文官房長官が、「選挙結果を斟酌する必要がない」と発言したのには、雪斎も目を丸くした。 多分、この騒動の結果、「普天間固定」という線が強まっているのではないかと思えてきた、「五月までに決着」というのが、鳩山総理の意向であるけれども、「政権の勢い」が落ちているところで、こういう案件を腕力で押し通すのも難しいであろう。 そもそも、「五月までに」という期限の根拠が判然としない。1996年4月の普天間基地返還合意から2005年10月の辺野古沖移設合意までは、10年の歳月が経っている。向こう4カ月で落着できるという鳩山総理の見通しの根拠は、薄弱ではないのか。 過日、尾崎行雄記念財団が発行する雑誌「世界と議会」に下掲の原稿を寄せた。尾崎財団は、「憲政の神様

    日米「太平洋」同盟の試練 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2010/01/28
  • 拝啓、イチフ・オザーリン殿 - 雪斎の随想録

    ■ 「あーあ、やっちゃったわね…」。 □ .<小沢幹事長>「辞表提出後に言うべきだ」宮内庁長官を批判 12月14日20時25分配信 毎日新聞 民主党の小沢一郎幹事長は14日、党部で記者会見し、天皇陛下と中国の習近平副主席の特例的な会見を巡り、天皇陛下の「政治利用」に懸念を示した羽毛田信吾・宮内庁長官の発言について「内閣の一部局の一役人が、内閣の方針をどうこう言うのは、日国憲法の理念を理解していない。どうしても反対なら、辞表を提出した後に言うべきだ」と厳しく批判した。 小沢氏は天皇陛下と会見する際、1カ月以上前に申請する慣例について「(1カ月ルールは)誰が作ったのか。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話があるか」と不快感を表明。その上で「天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われる。それが日国憲法の理念であり、旨だ」と強調した。 天皇陛下と習副

    拝啓、イチフ・オザーリン殿 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2009/12/15
  • 政治「エリート」養成のための七つの選択肢 - 雪斎の随想録

    ■ さて、昨日のエントリーの続きである。 以下の記述は、「敬称。略」とする。 昨日、学歴を前面に出した議論をしたものだから、奇妙な反応が返っている。「今時、東京大学OBだって、大したことはない、「歴代の自民党宰相は、どうなのか」…という具合である。 だが、昨日のエントリーでも、、わざわざ下のような断り書きを書いているはずである。 ここでいう学歴は、「刻苦勉励」の証となるものの喩えである。昔日の英国ならば、恵まれた家庭に育った人材は、大概、十代から二十代のころに、「心身ともに厳しい環境」に放り込まれるものであるけれども、日では、そうした人材には、何故か「生ぬるい環境」が用意されるのである。 雪斎は、13年前にも、現在の日には、政治「エリート」養成ができていないと書いた。9年前に上梓した『国家への意志』でも、「統治の作法」を身に付けさせる仕組みについて色々と書いている。何のことはない。「戦

    政治「エリート」養成のための七つの選択肢 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2009/11/19
  • 政治と「階級社会」 - 雪斎の随想録

    ■ 森繁久弥さんが主演した映画小説吉田学校』に印象深いシーンがある。 講和の実現に向けて格的に走り出した吉田茂(森繁久弥)が、外務次官(神山繁)に条約案の作成を命ずる。 だが、外務次官は、吉田が満足する案を出せず、吉田から何度も突き返される。 そうした遣り取りの中で、外務次官は、親の死に目にも会えない激務を続ける。最後に案が出来上がり吉田から「ご苦労だった」と言葉を掛けられた次官は、脱力したように落涙するのである。 吉田と外務次官の関係は、単に政治家と官僚の関係ではない。 戦前には外務次官を務めた吉田にとっては、その次官は広い意味での昔日の部下であったであろうし、何よりも東京大学法学部の後輩であった。 「政治家主導」とは、最近になって浮かび上がったような雰囲気があるけれども、吉田時代は、「政治家主導」でなかったといえるのか。 戦後、特に「三角大福中」の頃までは、余程、「政治家主導」だっ

    政治と「階級社会」 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2009/11/18
  • 「自分で食えない国」の分際・続 - 雪斎の随想録

    ■ 昨日のエントリーの続きである、 日料自給率40パーセントは、低すぎるということであれば、それに対応する方策は、二つしかない。 ① 自国で料を増産する。 ② 他国から料を調達する。 ところで、日が精一杯、努力をして、料自給率は、どの程度まで引き上げることができるのか。英国並みの70パーセントというのが目標になるであろうけれども、それもまた、かなりの高いハードルである。日が自給率100を超えて「料輸出国」になるというのは、余程の農業技術の革新が成らない限りは、無理なのではないか。 だとすれば、「料輸出国」の機嫌を損ねないようにしながら、「外交」でっていくしかない。 率直にいえば、雪斎は、対米関係や対豪関係に比べれば、対中関係や対韓関係には、余り重きを置いていない。 「料輸出国jと「料輸入国」とを比べれば、前者に重きを置くのは当然である。 従来、「アングロサクソンと

    「自分で食えない国」の分際・続 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2009/11/10
  • 一つの懺悔 - 雪斎の随想録

    ■ この期に及んで、雪斎は自説の誤りに懺悔しなければなるまい。 選挙前、雪斎は、民主党マニフェストに対する所見を求められ、「具体性に乏しい」と批判した。 誤ったのは、その「具体性に乏しい」という批判の趣旨である。 雪斎は、「そもそも、対外関係に絡む案件をマニフェストに掲げてよいのか」と提起すべきだったと反省する。 そういえば、オットー・フォン・ビスマルクは、「外交案件では三年以上の計画を立ててはならぬ」と語ったそうである。「相手がある」対外政策案件では、「自分の都合」で幾ら計画を立てても、周囲の国際環境が変われば、その計画の前提が揺らぐ。「○○空港を三年以内に廃止します」という公約は、適切だろうけれども、「在日米軍○○基地を三年以内に廃止します」という公約は、そもそも、おかしい。対外政策には、「機が熟する」姿勢が大事になる。吉田茂は、講和までに七年待ったし、沖縄返還までは二十数年の時間を要

    一つの懺悔 - 雪斎の随想録
    t_thor
    t_thor 2009/11/10