もうすぐ7月。人事異動が少なくない季節です。すでに、内示を受けたビジネスパーソンもいるでしょう。それが嬉しい異動だったら良いのですが、不本意な命令だったら、たちまち目の前が暗くなり、「どうして、こんなことに」と上司を恨みたくなってしまいます。 そこで今回は人事異動で勝つヒントを、平安時代の昇進エピソードから探ってみたいと思います。 というのは今昔物語の中に“平安時代の朝廷で鳴かず飛ばずだった紫式部の父親が、天皇に漢詩を贈ったら出世した”という有名なエピソードがあるのですが、よく調べてみると、その裏になんともリアルな“組織の事情”が隠れていたのです。そこを掘り下げれば、人事異動に勝つ知恵が得られるかもしれません。さっそく今昔物語のエピソードからご紹介しましょう。 今昔物語集の第24番に「藤原為時、詩を作りて越前守に任ぜらるる語」という話があります。平安時代の朝廷で、本当にあった話として語り継
開発されてきた駅前を森林に戻す──。千葉県のローカル線、小湊鐵道は、古い列車や駅舎を使い続けて、静かに人気を集めてきた。時代の流れに抗うかのような企業は、創業100年目を迎え、ついに「逆開発」に乗りだした。(下の動画をご覧ください) 今年3月、千葉県市原市の山間部にある観光の玄関口、養老渓谷駅。駅前のロータリーにショベルカーが入ると、工事関係者や鉄道職員が見つめる中、ついに歴史的な工事が始まった。 「逆開発」 駅前のアスファルトを、ショベルカーがうなりを上げながら剥がしていく。そして、土が姿を現すと、小湊鐵道の社員が土地をならし、木や花を植える。使い古した鉄道の枕木が運び込まれ、土に埋め込んで散策の道が作られていった。さらに、枕木を積み上げた「ウッドベンチ」も設置される。 「靴が汚れるじゃないか」「せっかく舗装した道を、なぜカネをかけて壊すんだ」 当初は批判の声も漏れてきた。駅舎の前にあっ
AI(人工知能)による産業構造の激変が始まった。 売り上げ規模など従来の序列は全く関係ない。対応できない既存勢力は没落する。強固なピラミッドを持つ自動車産業とて安泰ではない。AIによる自動運転の実用化が、激変の号砲となる。 5月10日にトヨタ自動車とAIによる自動運転で提携したのは、半導体世界シェア10位以下の米エヌビディア。自動車業界と半導体業界にとって、序列の崩壊を象徴する提携である。 エヌビディアは長らく、ゲーム用半導体というニッチ産業のプレーヤーの1社に過ぎなかった。まさに「知る人ぞ知る」存在だった同社は、AI時代の寵児になりつつある。 ただし、同社のAI用半導体メーカーとしての実力はいまだベールに包まれている。4月、日経ビジネスはメディアとして世界で初めて、米エヌビディアを密着取材した。 AIによる世界制覇の攻防──。特集第1回は、その主役の1社であるエヌビディアの実像を詳報する
米大統領選の投票日まで80日を切りました。世論調査では、ヒラリー・クリントン民主党候補がドナルド・トランプ共和党候補を大きくリードしていますね。よほどのことがない限り、クリントン氏で決まりとみていいのですか。 高濱 選挙予想で高い評価を受けているバージニア大学政治センター所長のラリー・サバト教授は8月18日の段階でこう予想しています。「クリントン氏は選挙人数で『確実』(当選圏内に入った数)と『優勢』(今少しで当選圏内に入る数)を合わせて348人を獲得している。これは過半数である270人を大きく上回る」 各種世論調査でもクリントン氏が5%前後、トランプ氏を引き離しています。 興味深いのはリバタリアン党のゲリー・ジョンソン大統領候補がなんと10%前後の支持率を確保していることです。選挙分析専門家の1人は筆者に「トランプにいや気がさした共和党支持者の一部がクリントンではなく、ジョンソンに流れてい
ディープマインドが開発した囲碁AIは「AlphaGo」。昨年10月に中国のプロ棋士で欧州チャンピオンに3回輝いた樊麾(ファン・フイ)氏と非公開で5局対局し、すべてに勝利を収めたという。今年3月には韓国のトッププレイヤーの1人、李世●(石の下に乙、イ・セドル)九段と対局する予定だ。 囲碁が盛んでレベルが高い地域は、中国や韓国、日本、台湾。欧州で活躍するファン氏は、国際的に見て囲碁のトップ棋士と言えないのは事実だ。ただし、AlphaGoは昨年10月から、さらに棋力を向上していると見られることから、3月の決戦は「AIが有利」と予想する日本のプロ棋士も登場した。 同じくボードゲームの将棋では、ここ数年将棋AIがトップレベルのプロ棋士に勝ち越せる実力を証明してきた。だが、将棋の着手数が10の220乗なのに対して、囲碁は10の360乗に上るとされる。着手を決めるための局面の形勢判断も難しく、囲碁AIの
以前にも書いたことがあると思うのだが、私は、「政治とカネ」というこの決まり文句を耳にする度に、微妙にイライラした気持ちになる。理由は、「政治とカネ」が、具体的に何を指し示しているのかについて、この見出しは、結局のところ、何も説明していないからだ。 そもそも、「政治とカネ」というこのフレーズは、抽象名詞を二つ並列させただけのもので、ひとつの文として完結していない。 「花と蝶」 「酒と涙と男と女」 「部屋とワイシャツと私」 「オレとお前と大五郎」 「ネギとイモ」 「木村と中居」 これらは、実のところ何も語っていない。 それぞれの単語がもたらすそれぞれの映像と、関係を匂わせる物語の予感と、余情と余韻と余白以外には、何も伝えていない。 主語も述語も無い。 言わばポエムの断片に過ぎない。 にもかかわらず、二つの名詞を一音節の接続詞でつなげただけの成句である「政治とカネ」は、深い含蓄のあるヘッドライン
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