続きを読む 「日本はもっと素晴らしい国のはず」 「日本はもっと素晴らしい国のはず」 筆者も5月下旬から6月にかけて赴任先のニューヨークから日本に一時帰国し、14日間の自主隔離期間を過ごした(関連記事)。このときにも「海外から来た人=コロナウイルスを運んでくる人」という差別を日本国内で少なからず感じた。日本に一時帰国する前にワクチンも接種し、飛行機に乗る前と後に検査を受け、陰性の結果を得ているにもかかわらず、だ。科学的に見れば、ワクチン接種も検査も受けていない日本在住者よりも安全性が高いと言えるのだが……。 米国ではワクチン接種の普及が急速に進む5~6月ごろまで、飲食店を閉鎖したり店内飲食の人数を制限したりするなど日本に比べて厳しい新型コロナ対策を実施してきた。接種人口が増えて規制が緩和され始めてからは、例えば野球場では接種者と非接種者の観戦エリアを分けるなど、「接種」が一つの基準になってい
塩野義製薬を含む日本の製薬会社のワクチン開発が欧米勢より遅いのはなぜでしょうか。 手代木功・塩野義製薬社長(以下、手代木氏):ワクチンや治療薬、診断薬を開発するフットワークが重いのではないかと見られていることについては、真摯に受け止めないといけないと思っています。 もちろん、日本の製薬会社は規模が欧米に比べて小さいとか、バイオ医薬品の潮流に全体として乗り遅れたとか、そういった理由もあるでしょう。ただ今回、欧米で接種が始まっているメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンにしても、ウイルスベクターワクチンにしても、日本にそうしたプロジェクトをやるベンチャーや製薬会社がなかったのは、産官学でそうした基盤を育ててこなかったからです。その点については、欧米に学ぶところは多いと思います。 また、緊急事態だという割には、緊急時に備える制度が不十分という点もあります。米国では、Emergency Use
2020年世界に大きな打撃を与えたコロナ禍の打開に向け、光明が見えつつある。英国は世界に先駆け市民へのワクチン投与を開始。日本も接種体制整備に動き始めた。21年、日本と世界は果たしてコロナ禍という悪夢にピリオドを打てるだろうか。 米ファイザーとドイツ・ビオンテックが共同で開発しているワクチンと、米モデルナのワクチンが、米国と欧州で実用化にあと一歩のところまで到達した。両グループはそれぞれ、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁にも条件付き承認を申請。ファイザーのワクチンは一足先に英国で緊急使用許可を得て、12月8日から接種が始まった。FDAも11日、ファイザーのワクチンに緊急使用許可を発行した。 いずれも正式な薬事承認とは異なる緊急の措置ながら、21年を前に何とか実用化にこぎ着けそうだ。 両グループのワクチンは、どちらもメッセンジャーRNA(mRNA)とい
国内で開発されたブランド果実などの種や苗木の海外への流出を防ぐ仕組みを強化した改正種苗法が12月2日の参院本会議で可決、成立した。一部の規定を除き、2021年4月に施行される。政府は、通常国会での成立を目指していたが、新型コロナウイルスへの対応などで十分な審議時間が取れなかったこともあり継続審議に。一部からは法改正への懸念の声も出ていた。そもそも種苗法とはどういう法律なのか、どういった改正が行われるのか、知っておくべき10項目をまとめた。 Q1:種苗法って何? Q2:どのように開発者を保護している? Q3:今回の改正で何が変わる? Q4:個人が種や果実を買って、海外に持ち出すこともできなくなる? Q5:法改正の背景は Q6:他に海外に流出した登録品種は? Q7:そもそも、新品種の登録はどれくらい行われている? Q8:法改正でどんな効果が期待されている? Q9:法改正には懸念の声もあった。
米国は2020年9月に華為技術(ファーウェイ)に対する輸出規制を発効し、中芯国際集成電路製造(SMIC)向けの製品出荷にも規制をかけた。「『一国の盛衰は半導体にあり』をよく理解している米国は、ファーウェイやSMICへの禁輸など、中国のエレクトロニクス産業の生命線を絶とうとしている」(牧本氏) 牧本氏は、最先端半導体の製造技術で中国に追いつかれないよう米国が神経をとがらせていることに注目する。微細化に欠かせない露光装置を手掛けるオランダの装置メーカー、ASMLの機器や技術が中国に渡らないよう、米国は19年からオランダ政府に働きかけてきた。 国防の観点から米国が警戒心 「米国の半導体関係者を刺激したのも日本の先端半導体開発プロジェクトだった」。牧本氏はこう記憶をたどる。 1970年代、米国ではIBMがICを大きく上回る性能のLSIを使ったコンピューター「フューチャーシステム」の構想を進めていた
「今年3月以降、自宅から2km圏内のエリアをほぼ出ないで生活している。外に出たのは両手で数えられるくらい」。東京・丸の内の金融機関に勤めるD氏はこう話す。 2月までは、川崎市の自宅から小田急線で片道1時間かけて毎日通勤していた。働き方改革の一環として始まった早朝会議に間に合わせるため、朝食もほどほどにラッシュアワーの電車に乗る。その分、早く帰宅できるわけでもなく、数時間の残業の後、職場の同僚らと飲みに行くこともしばしば。平日は、むしろ「自宅2km圏内」にいるのは寝るときだけという生活だった。 休日はどうかと言えばこれまたあまり変わらない。都心や大型店の方が安く買えるし品ぞろえも豊富だと思い、ついついまた電車や車を使って都心近くまで遠征してしまう。そんな休日だった。 快適だった“多摩川を越えない生活” コロナ禍で生活は一変した。3月から在宅勤務が導入されると、顧客との打ち合わせも、社内のミー
インターネット安全法(サイバーセキュリティー法)では、ネットワーク運営者に公安機関・国家安全機関への協力を義務付けている。国家情報法では、あらゆる組織、個人が国の情報活動に協力することを義務付けている。さらに現在制定中のデータ安全法(データセキュリティー法)では、国の安全維持のためにデータの調査に協力することを義務付けようとしている。 こうした仕組みが、中国企業が海外から収集したデータにも及ぶことが懸念されるのだ。米国が懸念しているのは、中国企業が保有する米国における顧客データに中国政府がアクセスすることが可能であることだ。これらの法制度の下ではファーウェイも北京字節跳動科技(バイトダンス)も中国政府から特定のデータの提供の要請を拒否できない。ファーウェイ、バイトダンスの創業者たちがいくら否定しても、この“くびき”からは逃れられない。 米国の対中政策を見るときは、トランプ大統領と“オール・
米インテルの事業モデルが揺らいでいる。次世代の半導体製造技術の立ち上げが遅れると発表した同社の株価は2割も低下。製造受託に特化して「量」を集めるメーカーとの明暗が分かれた。 「外部の製造技術を使って2021年後半以降に発売する」。インテルのボブ・スワンCEO(最高経営責任者)がついに白旗を上げた。20年4~6月期の決算会見で、次世代の半導体製造技術の導入が遅れると公表し、最先端品の一部の製造を他社に委託すると表明した。 先端半導体の設計と製造を自社で手掛けてきたインテルの方針転換に株式市場も敏感に反応。インテルの株価は翌24日に16%下がり、その後もじわじわと値を下げた。インテルが製造を委託するとみられる台湾積体電路製造(TSMC)の株価は、数日かけて2割上昇した。7月末時点の時価総額ではTSMCがインテルの約2倍となり、半導体業界の世代交代を印象づけた。TSMCは世界の時価総額で一時トッ
「最初は誰かが銃で撃たれでもしたのかと思いました」 米オハイオ州コロンバスからニューヨーク市に21日間限定の「助っ人」としてやってきていた看護師のブルックリン・ヘイゼルさん(31歳)は、2020年4月22日に迎えた最終日の様子をこう振り返って笑う。ヘイゼルさんが勘違いしたのは、勤務を終えて病院の外に出ると、消防車やパトカーが何台も並び、大勢の警官や消防士たちに出迎えられたから。 「でもそこにいたテレビ局のリポーターが、皆、あなたたちにお礼を言うために集まっているんだよ、と教えてくれました。田舎町から出てきた私にとっては信じられない光景でした」 助っ人看護師たちが乗り込んだバスはその後、まるで大統領でも乗せているかのようにパトカーに先導されて市内を移動した。 4月27日現在、新型コロナウイルス感染による死者数が5万5000人を超えた米国。中でもニューヨークは他に類を見ない感染爆発を経験し、同
イタリアは2月から新型コロナウイルスの感染が急拡大し、患者が病院の受け入れ能力を超えるような「医療崩壊」が起き、死亡者が急増する危機的な状況に追い込まれた。同国はEUに医療防護具などの支援を求めたが、「EUのどの国も応じなかった」とイタリア出身のマッサーリEU大使は言った。フォンデアライエン委員長は全面的に非を認め、公の場でイタリアに謝罪した。 当時はEU各国でも感染が広がり始め、イタリアを支援する余裕がなかったのは確かだ。ドイツやフランスはマスクなど医療防護具の禁輸措置を取るなど、自国民の保護を最優先していた。 実際、スウェーデンのヘルスケア会社、メンリッケがフランス経由でイタリアとスペインの医療従事者にマスクの供給をしようとしたところ、フランス政府から輸出を禁じられ、マスクを押収されたという。同社はフランス政府を非難している。その後、問題は解決したが、フランスとスイスの間でも同様の問題
高価格帯の不動産売買を手掛けるリスト サザビーズ インターナショナル リアルティの福島麦・銀座オフィス支店長は「千葉県の物件の人気が急に高くなった。南房総の海沿いエリアで中古住宅を探す顧客が急増しており、2月前半の2週間と比べると、4月前半は同エリアの問い合わせ数が3.9倍になった」と驚く。一番人気は南房総市で、富津市や館山市、勝浦市、いすみ市の物件にも照会が多いという。 物件に求められる条件は主に3つ。「オーシャンビュー」「広い敷地」「安定した再販価格」だ。千葉県は2019年に猛威を振るった台風15号や19号で被災した。地域によっては暴風雨の爪痕がなお残っている。新型コロナが拡大する以前は、「南房総エリアの中古物件への問い合わせは皆無だった」(福島支店長)という。 しかし、東京湾アクアラインなどを利用すれば都内にも出やすいことから、2拠点生活を考える経営者や専門職らから注目されている。実
スイスのマーカー・セラピューティクスの「D2000吸着カートリッジ」と組み合わせ、呼吸不全で集中治療室に入院している18歳以上の患者に使用することが条件となる。公衆衛生の緊急事態である期間限定の許諾だ。 スペクトラオプティア自体は、血液を体外に取り出して有害な血液成分などを除去してから体内に戻す「アフェレシス」という治療への利用で承認を受けていた。一方、D2000吸着カートリッジは、欧州では医療機器の認証を得ていたが、米国では承認を得ていなかった。そこで今回、COVID-19への対策としてFDAが緊急使用を許諾した格好だ。 「免疫の嵐」を抑制する この装置とカートリッジのセットは、COVID-19が重症化し、「サイトカインストーム(免疫の嵐)」という現象が生じた際に使用する。
東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる国立競技場が完成した。膨れ上がった建設費や設計の白紙撤回など、混乱が続いた「スポーツの聖地」は、ようやく12月21日のオープニングイベントでお披露目となる。ただし、難題はまだ残る。莫大な維持費を抱えながら、収支をどうやって黒字化するか。先が見通せない3つの理由を解説する。 国立競技場の未来に、早くも暗雲が垂れ込めている。政府は国立競技場の五輪・パラリンピック終了後の「後利用」に関し、民間企業に運営権を売却する方式を検討している。当初は年内にも民営化計画を作成するはずだったが、2020年秋以降に先送りにする方針だ。事業者の公募も五輪後に先送りする。運営権に興味を持つ民間企業から「採算性などを判断できない」という意見が相次いだためだ。 「うちは手を挙げないつもりだ」。スポーツ施設の運営実績がある民間企業の担当者はこう話す。なぜか。詳細な図面などを五輪の
「中国の日常生活は数十年前の日本に近い」。そのような見方は既に古い。デジタル化と消費の高度化により、日本にはない「売り方」が次々に登場している。今や世界の先端を行く中国のマーケティング手法は、日本においても通用する。 >>「目覚めるニッポン」記事一覧へ 7月12日、米コーヒーチェーン大手、スターバックスが中国北京市で一風変わった店をオープンした。 そこにあるのはビジネスパーソンや学生がゆったりとくつろぐ姿ではなく、アプリを提示し、レジから商品を手早く持ち帰る人たちの姿や、袋を受け取った配達員が電動スクーターに乗って街の中に駆け出す姿だった。スマートフォンなどからの注文に特化した新型店舗「スターバックス ナウ」だ。 昨年8月、スタバは「餓了麼 (ウーラマ)」を傘下に持つアリババ集団と提携した。ウーラマはレストランで作った食事などを配送するサービスを手掛ける。スタバはその配送網を活用して利用者
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