大正天皇即位礼饗宴(きょうえん)の儀の際に供された「ザリガニ」を用いたスープが栃木県日光市中宮祠の中禅寺金谷ホテルで再現され、今冬からホテルのフルコースのメニューに仲間入りする。日本では食材のイメージが薄いザリガニだが、関係者が研究を重ねてポタージュとして仕上がった。天皇陛下ご即位の年に完成した皇室ゆかりの逸品は、栃木の新しい名産として注目が集まりそうだ。 国際的には食材として一般的なザリガニだが、日本では食べる習慣がほとんどない。しかし、大正天皇の料理番を務めた秋山徳蔵は、フランス料理で用いられるザリガニを使ってスープを作ることを思いついた。北海道の支笏(しこつ)湖産のニホンザリガニを使ったスープが、1915(大正4)年に京都で開かれた饗宴の儀に供されたという。 関係者によると、この時使用されなかったニホンザリガニが日光田母沢御用邸(同市本町)に持ち込まれたとの記録があった。さらにこのニ