帰国して丸3日が経過した。 南アフリカで過ごした1カ月強の日々を思うと、とても不思議な気分に襲われる。東京の日常とは何から何まで異なる、まさに別世界から帰還してきたような感じだ。虚脱状態に陥っていると言ってもいい。 南アは冬で、日本は夏。 暖房が必需品だった国から、冷房なしでは辛い日本に帰ってきたのだから当然かもしれないが、日中と夜間とで気温差20度は当たり前という感覚は、日本では絶対に味わえないはず。日中は半袖で過ごせるぐらい気温が上がるのに、夜になると一転、ダウンなしではいられなくなる国。 期間中を通して、僕はヨハネスブルクにアパートメントを借りていたわけだが、雨に降られた日は、僕の日程のなかで1日もなし。空気は乾燥しまくっていた。 おまけに標高が高いので空気が薄い。世界でも類を見ない厄介な気候に、僕などはすっかりやられてしまったクチだ。普段、風邪など滅多に引かないのに、1カ月間ほぼ毎
愉しかった1ヶ月が終わってしまった。 決勝戦。だいたいワールドカップの決勝戦は、往々にして「ここまで来る事」に全エネルギーを消費してしまったチームが登場する事が多く、一方的でつまらない試合も多い。 しかし、今回の決勝は相当おもしろかった。少なくとも私が見た範囲の中では過去を振り返っても、ベストの決勝戦だったのではないか。78年のリーベルスタジアムの超熱狂や、94年のフランコ・バレシ対ドゥンガの陰々滅々も悪くなかった。また、06年のカンナバーロ対ジダンの盾矛対決も、ジダンがナニするまでは(イタリアの攻撃が今一歩ではあったが)、中々だった。しかし、今日の決勝は、双方が敵を何としてでも崩し切ろうとする攻撃姿勢、加えて双方の(と言うと不正確だな、仕掛けたのはオランダだ)削り合い。それでも、両軍が持ち味を出して、何とか勝とうともがく死闘。本当におもしろかった。 ただ、残念だったのは、今大会、我々も当
「日本に何が起きたんだ?」 ヨハネスブルク市内のカフェでお茶をしたとき、イギリスのコラムニストであるサイモン・クーパーが何度となく口にしたのはこの台詞だった。グループリーグが終盤に差し掛かった頃、メディアセンターで外国人記者から一番多く尋ねられたのも、やはり岡田ジャパンの劇的な変化に関する質問だった。 彼らの目には、日本代表はさながら「シンデレラ」のように映ったのかもしれない。 大会前の下馬評ではEグループの最下位候補。にもかかわらずカメルーンに勝ち、オランダ戦の敗北を最少失点に抑え、デンマークにも勝利する。少なくとも成績の面では、一種の魔法をかけられたような状態になっていたからだ。 日本の分岐点となったイングランドとの親善試合。 では、いつ魔法はかけられたのか。きっかけとなったのは5月30日にグラーツで行われたイングランドとの親善試合だったように思われる。 イングランドと刃を交えるにあた
ブレ続ける岡田武史氏が、アルシンドにとんだ肩透かしを喰らわせた件。 Tweet Share on Tumblr カテゴリ:サッカー 2010年07月09日11:19 ブレブレやないか…! ワールドカップはまだ続いていますが、日本代表をめぐる一連のフィーバーはさすがに一段落。いい加減マツコ・デラックスさんと長友佑都との恋物語についても、お腹いっぱいな感があります。それでもこの盛り上がりによる経済効果は3000億円に達するとの試算も出るほど、最高に楽しく、最高に熱いお祭りでした。改めて選手・関係者には感謝したいところ。 今回の大会で僕も改めて感じたのは、ブレないことの大切さ。JFAの技術顧問である小野剛氏はサッカーダイジェスト誌上で「大会直前に監督更迭論をブチ上げていた雑誌が、今はベスト16増刊号を出している。休刊するぐらいの覚悟があると思ったのに」と、大会前後で態度を180度転回したメディア
W杯という舞台では、ときに「誤審」が、語り継がれるドラマを生む。1966年W杯決勝の“ウェンブリー・ゴール”しかり、'86年のマラドーナの“神の手”しかり。今でも真相をめぐり、問題のシーンが繰り返し流されている。 しかし、誤審がこれほど立て続けに起こると、さすがに問題視せざるをえないだろう。今回のW杯で審判の判定ミスがあまりにも多いことを受け、名将フース・ヒディンクはこう訴えた。 「近年、いたるところで誤審を目にするようになった。すぐにでもビデオ判定や、ボール内にチップを埋め込む技術を導入すべきだ。私はプラティニ、ベッケンバウアー、クライフたちに呼びかけていきたい」 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り: 1008文字 NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく NumberWeb内の
世間はドイツ対スペインの好試合で盛り上がっているようだけど、すっかり出遅れの戦評ですいません・・・やっぱツールとW杯掛け持ちはつらいんだよね(笑)。 さて、試合直後の評判では、結果は出したが内容がいまいちとの意見が多かったオランダだったが、今までのオランダはパスワークで圧倒的に試合を支配するんだけど、そこで点が取れずにカウンターからコロリとやられるのが持ち味だっただけに、それまで決定的に欠けていたリアリズムを獲得できている実証なのではないかと思う。 その立役者として挙げられるのは、まずはファンボメルだろう。彼が中盤で試合の流れを読み、確実に相手のスペースを潰してマークを怠らず、攻撃に移ればシンプルな散らしを中心として、時としてその風貌には似合わない華麗なボールキープを見せたりと、チームとしての落ち着きや安定感を作り出していると言えよう。そこに、ロッベンのスピードやテクニック、スナイデルのア
ワールドカップの占いタコに世界中から「殺せ」発言が相次いでいてワロタw Tweet Share on Tumblr カテゴリ:サッカー 2010年07月07日11:31 命がけの予想です! 世界中が注目するワールドカップもいよいよ大詰め。6日に行われた準決勝1試合目では大熱戦のすえ、オランダがウルグアイを下し決勝進出。7日に行われるドイツVSスペインの勝者と優勝をかけて争うことになりました。オランダと鎬を削り合った仲としては、「やはりオランダは強い」「日本もオランダ以外が相手なら1位ヌケあったな」「オランダをもっとも苦しめたのは日本」と引き続き歓喜の余韻に浸れる展開で何よりです。 決勝の相手となるのはドイツかスペインか。その結果を、ここまでドイツ代表の試合結果をことごとく的中させてきた占いタコ・パウル君が予想してくれました。何と、占いの結果はスペイン勝利。これにはドイツ国民も一様に落胆した
ラモス瑠偉オフィシャルブログ CARIOCA Powered by Ameba ラモス瑠偉オフィシャルブログ CARIOCA Powered by Ameba 今回のW杯も そろそろ終盤 早々の優勝候補の敗退や アジア勢の健闘 何が起こるかわからない4年に一度のサッカーの大祭典 一味もふた味も違った 今回のW杯 ここ日本では 代表の大健闘で国中を巻き込んでの大フィーバー 自分の国が勝ち進んでいく事でさらに W杯というものが どんなに楽しく どんなにエキサイティングで 国を背負って戦うということの素晴らしさ 重さというものを あらためて日本国民みんなが体験できたW杯だったと思う ただ 国民の盛り上がりに水を差すわけではないけど 浮かれるのはもう終わりにしないといけない そろそろ現実をみつめていかないと・・・。 人々は 次はベスト8だとかベスト4だって狙える とか言うけど W杯というのは 1勝
色々と余韻に浸りながら、列強の戦いを眺めていたいところ。書きたい事は無数にあるのだが、書く事でその余韻が消えてしまいそうで怖い。 しかし、次期日本代表監督の人事の噂も流れ始めている。実際の決定は大会終了後となろうが、この手の話は遅れをとるとタイミングを逸する。と言う事で大会中ではあるが、私なりの現状意見を、少しずつ述べていきたい。 とりあえず、今日は「ワールドカップの目標」はどうあるべきかについて述べたい。 約1年前にこんな文章を書いた。一部を要約する。「ベスト4を目指す、そのためにいかに全員で努力を行えるか」と言う岡田氏の発言は、(過去と異なりワールドカップ本大会に出場するだけでは満足感が得られず、日程が破綻により代表チームに選手達が集中しづらい現況において)代表選手たちを鼓舞し、厳しい鍛錬を要求し、共の高みを目指そうと言う視点からは、真っ当なものにも思えるのだ(いや、「それにしても」と
本稿は、サッカーライト層に対して読むに耐えない文章で金を稼ぐ事を生業としている人に向けて書いたものではない。彼らは別にサッカーを好きな訳でも何でもなく、食うための手段として使っている。それはそれで、日本にサッカーを広げるためには必要悪として存在するのだ。これらの必要悪については、我々は別に対策を打つ必要があろうが、難しい問題だ。 本稿はそうではない心あるサッカー人に対して、書かせていただいたものである。 大会前に岡田氏を批判していた人達が、今でも岡田氏に文句ばかりを言うのは美しくない。 もちろん、結果が悪くなかったとは言え、それだけで、監督の評価をするのはよくない。悪くない結果を残してくれた監督だとしても、是々非々で論評するのはとても大切だ。 しかし、大会前にさんざん岡田氏に文句を言っていた以上は、「恐れ入りました」とか「ごめんなさい」くらいは、1回ハッキリ言ってもバチは当たらんだろうと言
ワールドカップ開催期間に入ってから、東京・汐留にある電通本社ビルの壁面に毎晩、日本代表への応援メッセージが表示されていました。 それをまとめたのがこちらの記事。 電通本社ビルのワールドカップ日本代表応援メッセージまとめ 「祝 開幕」 「打倒 夏麦論(カメルーン)!」 「万歳!日本」 「連勝祈願」 「日本一丸!」 「打倒 和蘭(オランダ)」 「念を送れ!」 「次が天王山」 「突破祈願」 「頼む!!!」 「今夜決戦」 「祝 決勝T(トーナメント)」 「いざ 決勝T(トーナメント)」 「更なる高みへ」 「頼む!!!」 「感謝」 電通さんによれば、汐留ビルの壁面文字は、W杯期間中毎日19時から22時までやってます!とのことです。 ちなみに、電通総研の四元正弘部長の個人的な試算によれば、今回のW杯の経済効果は3000億円。昨年、ワールド・ベースボール・クラシックで「侍
大会11日目。ワールドカップ(W杯)たけなわということで、ヨハネスブルク近郊にある私たちのB&Bにも、日本人以外の客が急に増えている。この日の朝食時には、スペイン語を話す男女が何やら楽しそうにおしゃべりをしていた。とはいえ、具体的にどの国からやって来ているかは分からない。その後、彼らが駐車場で自分たちの車に国旗を貼り付けているところに遭遇して、ようやくその出自が明らかになった。青・白・青の横3色に、中央に5つの青い星。彼らはホンジュラスのサポーターであった。この日、彼らの祖国は、欧州王者スペインと対戦することになっていたのである。 北中米カリブ地域といえば、まずメキシコと米国という2大サッカー大国が予選上位を独占しており、第3位の座を巡って、コスタリカ、トリニダード・トバゴ、ジャマイカ、カナダといった国々がしのぎを削る構図が続いている。ホンジュラスの本大会出場は、1982年のスペイン大会
悔しい。 完璧に近かった前半の守備。 ハーフタイムの時点で、後半立ち上がりにオランダが仕掛けて来るのはわかっていた事だった。日本のキックオフ、オランダの激しいプレス。押し込まれ、ミスをした日本。そして、その押し込みの時間帯を日本はしのぎ切れなかった。 終盤、手変え品変え攻勢を取ろうとする。最後はとうとう闘莉王を上げる。岡崎のシュートが枠にいかない。長友が倒されても主審は笛を吹かない。 差があるのだ。過去最高級の試合だったかもしれない。最高級の試合を見せてくれたからこそ、大きな大きな差が、また見えてしまった。 悔しい。 前半の守備はすばらしかった。カメルーン戦の組織守備がさらに進化。前で押さえに行くところ、引いて中盤で止めにいくところのメリハリが見事。 序盤に短いパスをつないで、遠藤のパスを受けた長友の強烈なシュート。右サイド、駒野の絶妙な低いフィードから松井が抜け出し、そこからの展開。最後
バックスタンドから「オー、バモ・ニーッポーン」というおなじみのコールが始まった。するとスタジアムの至る所から「ヒュー、ヒュー、ヒューヒューヒューヒュー」というこれもおなじみの口笛が応えた。 日本にとって南アフリカはあまりに遠すぎた。ダーバン・スタジアムの観客席はオランダサポーターが圧倒的に優勢だ。バックスタンドには日本サポーターが集まって応援するのが見えたが、自分の本来の席から動けず、まとまっての応援に参加できなかったサポーターも多そうだった。それでも心はひとつ。口笛を鳴らすことで日本の応援を、そして日本代表を盛り上げたのだ。 スタジアムのあちこちから聞こえてくる、決して大きくはないものの心強い口笛の音。それはやがて聞こえなくなる。日本の頑張りはこの日のニュートラルな観客を味方につけ、日本がシュートを外すと「ああ、残念」といったような大きなざわめきばかりが起こっていたのだ。 ふとバッ
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