準決勝敗戦。この試合後の喪失感は、中々経験したことのないものだった。115分アセンシオに決められ、その後の攻撃をスペインにいなされ敗退が決まった瞬間。「また勝てなかったか、今回こそはと思ったのに」と言う強烈な悔しさ。加えて、吉田麻也と仲間たちには「本当によく戦ってくれた」との感謝の念も大きかった。 ただし、その悔しさは、2010年南アフリカでのパラグアイ戦、2018年ロシアでのベルギー戦直後と比較すると、何か決定的に違った。この2つのワールドカップでは、その時の日本の戦闘能力手一杯まで戦い、刀折れ矢尽きた感があった。しかし、今回は采配を工夫すれば、もっとよい試合ができたのではないか、よい結果が望めたのではないかと思えたのだ。 強いて言えば、一番近い感覚は93年ドーハかもしれない。もちろんあの時失ったあの時失ったものをもっと大きかったけれども。一方であれからたった28年でここまで来られたって