子どものいいところを伸ばしたいと思う親は多いはず。東京海洋大名誉博士・客員准教授のさかなクンは、幼い頃からの好きなことを究め、豊富な知識と絵で魚の魅力を伝え続けています。母の支えで始まった「お魚ライフ」。さかなクンとお母さんに、それぞれ話を聞きました。(文・大井田ひろみ、写真・佐藤正人) 小学2年のとき、クラスの男子の落書きに、衝撃を受けた。うねうねした長い足に丸い頭。これは何? 図書室で調べ、タコとわかった。食べたことはあるのに、こんな姿だったとは。本物を見たい。 ぶつ切りでなく丸ごとのタコを母に買ってもらった。その日から考えるのはタコのことばかり。図鑑や写真集などでタコを探す。夕食は毎日のようにタコをねだる。絵を描くことが好きで、タコを描きたかった。母は嫌な顔ひとつせず、1カ月近く味付けを変えてタコ料理を作ってくれた。 水族館の閉館までタコ観察 生きているタコを見たくなり、母に日曜に水